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「恥ずべき状態だ」元ウィザーズのピアースがリーグ最下位に沈む古巣を糾弾「解決すべき課題があまりにも多すぎる」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2024.12.12

ウィザーズOBのピアース(右)が、近年下位に低迷している古巣について言及した。(C)Getty Images

 今季のワシントン・ウィザーズは3勝19敗(勝率13.6%)でリーグ最下位に沈んでいる。2021年を最後にプレーオフ出場から遠ざかっているチームに、殿堂入り選手のポール・ピアースが警鐘を鳴らした。

 ウィザーズは23年夏に看板選手のブラッドリー・ビールをフェニックス・サンズ、2番手のクリスタプス・ポルジンギスをボストン・セルティックスに放出。新加入のジョーダン・プールと在籍3年目のカイル・クーズマを中心とした新体制をスタートさせたが、昨季はフランチャイズワースト&リーグ29位の15勝67敗(勝率15.7%)と惨敗に終わった。

 これを受け、全体2位指名権を手にしたドラフトではフランス人ビッグマンのアレクサンドル・サーを指名し、FA(フリーエージェント)市場ではベテランセンターのヨナス・ヴァランチュナス、シュート力に定評のあるフォワードのサディーク・ベイ、トレードで堅実な司令塔のマルコム・ブログドンを獲得した。

 ロスターをテコ入れしたチームは、プールとクーズマの活躍、2年目のビラル・クリバリーの成長もあって開幕4試合で2勝2敗と健闘していたが、5戦目から悪夢の16連敗。昨季123.0点でリーグワーストに沈んだ失点は今季も123.8点で最下位、ディフェンシブ・レーティングも118.9(同28位)から119.2(同30位)と、状況は好転するどころか、むしろ悪化している。

 キャリア晩年の2014-15シーズンにウィザーズでプレー経験のあるピアースは、自身のポッドキャスト『Ticket & The Truth』で、古巣に厳しい意見を突きつけた。

 現在のチームを「恥ずべき状態だ」と切り出したピアースは「カルチャーを変えなければならない。コーチの問題なのか、選手の問題なのか分からないけど、何かを変える必要がある。ここ数年続いているこの状況は、チケットを売る魅力もなければ、(ファンを)ワクワクさせるものでもない。ただの恥だ」と酷評した。
 
「多くは組織の責任だ。彼らは選手のことをちゃんと調べているのか? トレードを促進し、カルチャー構築のためにベテランを引き入れるのか、それを見極めるのが彼らの役割だ。今やっていることはうまくいっていない。プレーヤー、コーチのどちらに責任があるのか分からないけど、新しい声やリーダーシップが必要なのかもしれない。解決すべき課題があまりにも多すぎる」

 チームは11月のすべての試合に敗れ(14敗)、12月7日にデンバー・ナゲッツに勝利しようやく長いトンネルを抜けたが、翌戦はホームでメンフィス・グリズリーズに112-140で大敗している。

 続いてピアースはブライアン・キーフHC(ヘッドコーチ)をはじめとしたコーチングスタッフの手腕にも疑問を呈した。

「1試合くらい勝てるはずだ。1か月で0勝16敗なんてあり得ない。どこかで勝てる方法を見つけなければならない。それができないのは、コーチの哲学やモチベーションの問題だろう。ここにはもっといいモチベーターが必要だ。

 彼らには能力の高いタレントがいる。カイル・クーズマやジョーダン・プールのような才能を持つ選手がいれば、1か月で1、2勝くらいはできるはずだ。それにドラフトトップ(2位)指名のアレクサンドル・サーもいるじゃないか」

 かつて八村塁が在籍し、日本でも知名度の高かったウィザーズだが、その八村やビールら主力選手の放出もあり、昨季と今季のホーム観客動員数はリーグ26位と人気も低下の一途を辿っている。ピアースが語るように、根本的な改革が必要かもしれない。

構成●ダンクシュート編集部

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