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ジョーダンは「すごく難しい人物」ピッペンが“神様”との関係性を改めて語る「素晴らしいチームメイトだが最高の友人ではなかった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.01.20

ピッペン(右)がジョーダン(左)との関係性について改めて語った。(C)Getty Images

 現地時間1月17日(日本時間18日、日付は以下同)、パトリック・ベット・デイビッドのポッドキャスト番組『The PBD Podcast with Patrick Bet-David』の最新エピソードがソーシャルメディアへ公開され、スコッティ・ピッペンがゲスト出演。"神様"マイケル・ジョーダンとの関係性について改めて語った。

 ピッペンと言えば、1990年代にシカゴ・ブルズでジョーダンとともに2度のスリーピートを達成したレジェンド。最高の2番手選手としてエースを補佐し、6度の優勝に7度のオールスター選出とオールNBAチーム入り、10度のオールディフェンシブチーム選出、2010年にバスケットボール殿堂入り、2021年には75周年記念チーム入りという輝かしい実績を誇る。

 当時のブルズを率いていたのが絶対的エースのジョーダンであることは誰の目にも明らかだが、ピッペン本人が「僕がいなかったら勝てなかっただろう」と話したとおり、この男はオフェンスではコンダクター役をこなし、ディフェンス面でも複数のポジションをカバーに回ってブルズの窮地を何度も救ってきただけに、その貢献度は計り知れない。

 ただ引退後、ジョーダンとの仲がクローズアップされ、2人の関係性についてネガティブな発言や報道が続いたなか、ピッペンは番組内でこう口にしていた。
 
「彼は一緒にやっていく上でものすごく難しい人物。彼とは数年プレーしてきたから、いつか自分が自らの道へ進むべく、離れる時が訪れるんだとわかっていた。あのまま居座って先延ばしにしたり、関係を広げる位置にはなかった。かつてのように、あるいは同じようにはならない位置に来ていたんだ。確かに、僕らは素晴らしいチームメイトではあった。けど最高の友人になることはなかったんだ」

 基本的に温厚な性格のピッペンに対し、ジョーダンは闘争心の塊だった。練習中にチームメイトたちを激昂させて刺激を与え、最大級の力を発揮させようとするなどトラブルもあったが、すべてはチームの勝利のためであり、チームメイトたちへ精神的なタフさを植え付けるべく率先して嫌われ役を演じてきた。

 ジョーダンとピッペンは"主と従"の関係にあり、ジョーダンから非難されたり、責められたチームメイトたちをフォローするのがピッペンだったとも言える。ブルズ6度の優勝が、この2人なしに達成できなかった偉業なのは間違いない。

 同時に、当時も現代のようにソーシャルメディア全盛であれば、さまざまな報道と憶測が世界中へ拡散され、同じようなことが実現できたかどうかは微妙と言わざるを得ないほど、過酷な環境だったのではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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