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NBA

「KDをトレードすることで、チームは持続性を得ることができる」元NBA選手のティーグが迷走するサンズに助言<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.03.04

デュラント(左)とビール(右)のサンズのユニフォーム姿は、今季で見納めかもしれない。(C)Getty Images

デュラント(左)とビール(右)のサンズのユニフォーム姿は、今季で見納めかもしれない。(C)Getty Images

 昨プレーオフで1回戦負けを喫したフェニックス・サンズは、シーズン終了後にフランク・ヴォーゲルHC(ヘッドコーチ)を解任し、2021年にミルウォーキー・バックスを優勝に導いたマイク・ブーデンホルザーを新HCに招聘した。

 デビン・ブッカー、ケビン・デュラント、ブラッドリー・ビールのビッグ3擁するチームは開幕10試合で8勝2敗と好スタートに成功。ただ、その後は連敗を繰り返して年内に貯金を使い果たし、現地時間3月2日(日本時間3日)時点でウエスタン・カンファレンス11位の28勝33敗(勝率45.9%)と苦しんでいる。

 そんななか、元NBA選手のジェフ・ティーグが3日に公開されたポッドキャスト番組『Club 520 Podcast』でサンズとデュラントに言及。

 ティーグは2009年のドラフト1巡目19位でアトランタ・ホークスに指名され、12年間のキャリアで平均12.2点、5.6アシストをマーク。ホークスで3シーズン、バックスでの現役最終年にブーデンホルザーHCの下でプレーした司令塔は、次のように語っていた。

「もし彼らがKD(デュラント)をトレードしても、それはKDに落ち度があるわけじゃない。ただ、そうすることでチームは持続性を得ることができる。その方がずっとマシってことさ。前にも話したことだけど、コーチ・バド(ブーデンホルザーHC)は多少ロスターが脆弱でもうまくやってしまう。彼なら何人かグルーガイを見つけ出し、彼らを中心としたチームを構築できるからね」
 
 ティーグがいた時代のホークスにはスーパースターこそいなかったが、ブーデンホルザーHCが自身やアル・ホーフォード(現ボストン・セルティックス)、ポール・ミルサップ、カイル・コーバー、デマーレイ・キャロルといった選手たちの能力を見事に引き出し、プレーオフ常連チームとなった。

 バックスではヤニス・アデトクンボ、クリス・ミドルトン(現ワシントン・ウィザーズ)にドリュー・ホリデー(現セルティックス)の“ビッグ3”の周囲にブルック・ロペス、ボビー・ポーティスといった優秀なサポーティングキャストを揃え、NBAの頂点に立った。

 今季のサンズは、年俸総額が約2億2071万ドル(約328億8579万円)でリーグトップ。デュラントは来季が契約最終年、ビールは来季終了後に完全FA(フリーエージェント)になれる権利を保持している。

 ティーグはサンズがビッグ3体制に終止符を打ち、ブッカーを軸にロスターを再編成していくことが最善の策と見ているようだ。

「D Book(ブッカー)を中心にしていけば、ものすごくスムースに進んでいくだろう。あれだけタレントが揃っていると、彼(ブーデンホルザー)はチームを構築するのが大変なんだ。サンアントニオ(スパーズ)にいた頃にやっていた、チーム全員のことを信じてやっていた時と、今は同じようにはいかないからね」

 ブーデンホルザーは、スパーズ時代に10年以上に渡ってアシスタントコーチ(AC)を務め、グレッグ・ポポビッチHCをサポートしてきた。ブッカー、デュラント、ビールとオールスタークラスが3人もロスターにいる状況では、彼の持ち味が発揮しきれないとティーグは感じているのだろう。

 近年はチームのバランスを考えずスターを次々と獲得するなど、補強の迷走が目立つサンズ。今季終了後にロスターにメスを入れるならば、デュラントとビールの放出が優先されることになるかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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