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NBA

本命ウェンバンヤマ離脱となった今季のDPOY争いの行方は?新候補が並ぶなか、ヤニスは相棒ビッグマンを推挙<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.03.06

今季の最優秀守備選手に輝くのは?(C)Getty Images

今季の最優秀守備選手に輝くのは?(C)Getty Images

 NBAの2024-25シーズンにおける最優秀守備選手賞(DPOY)の最有力候補は、ルーキーイヤーの昨季に平均3.58ブロックでトップに立ち、オールディフェンシブ1stチーム選出に加えてDPOYの投票で2位に入ったサンアントニオ・スパーズのヴィクター・ウェンバンヤマだった。

 フランス出身の若きビッグマンは2年目の今季も、平均11.0リバウンド、1.13スティールにリーグ最多の3.83ブロックと期待に応える活躍を披露。しかし、現地時間2月20日(日本時間21日、日付は以下同)に右肩の深部静脈血栓症と診断され、今季残り試合を全休することが発表された。

 大本命が突如としてタイトルレースから外れたため、今季のDPOY争いは混沌としている。

 3月5日には『FOX Sports』が、『Data Skrive』と『Sportradar』のデータをベースにDPOYの最新版オッズを公開。本命に躍り出たのはクリーブランド・キャバリアーズのエバン・モーブリー、続いてアトランタ・ホークスのダイソン・ダニエルズ、メンフィス・グリズリーズのジャレン・ジャクソンJr.が並んだ。

 モーブリーは今季から新設された月間最優秀守備選手賞に唯一2度(12月、2月)選出。リーグベストの52勝10敗(勝率83.9%)を誇るキャブズはディフェンシブ・レーティング(111.0)で7位にランクし、2月はロサンゼルス・レイカーズ(107.2)に次ぐ2位の108.0を記録。個人でも同月は平均10.1リバウンド、2.27ブロックに加え、出場時間帯における得失点差は+153でイースト1位と存在感を増している。

 対抗馬のダニエルズは平均スティール(3.02)とディフレクション(6.0)で2位以下を大きく引き離し、自己最高のシーズンを送っている。ジャクソンJr.は平均1.25スティール、1.64ブロックの成績でグリズリーズを支えていたが、3月3日に左足首を捻挫してしばらく離脱となってしまった。
 
 そうしたなか、ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボは4日のホークス戦に勝利後、ダニエルズがDPOYを勝ち獲る可能性があるのかと聞かれて、こう切り返していた。

「彼は確かに素晴らしいシーズンを送っていると思う。けど僕はチームメイトたちをサポートしなきゃいけない。(DPOY候補は)ブルック・ロペスさ」

『FOX Sports』が公開したDPOYオッズのトップ10のうち、4位以下はルージェンツ・ドートとシェイ・ギルジャス・アレキサンダー(いずれもオクラホマシティ・サンダー)、ドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、イビツァ・ズバッツ(ロサンゼルス・クリッパーズ)といった選手たちが並ぶも、ロペスの名前はなし。

 それでもキャリア17年目、バックス在籍7年目を迎えた36歳のベテランビッグマンは、今季もリーグ3位の平均1.95ブロックと奮闘。現役最多を誇る通算ブロック数では、3月5日に2029本まで伸ばし、ラリー・ナンス(元フェニックス・サンズほか/2027本)を抜きNBA歴代19位へ浮上した。

 現状ではロペスがDPOYに選ばれる可能性は低いと言わざるを得ないが、アデトクンボは長年リムプロテクターとしてバックスを支える相棒をプッシュしていた。はたして今季の“No.1ディフェンダー”の称号を得るのは誰になるだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)
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