NBA

どこまでも謙虚なブルズの俊英ホワイト。大学時代に“ジョーダン超え”した男の真摯な姿勢を指揮官も絶賛「あらゆる賞賛に値する」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.03.17

ホワイトが急成長した背景には、指揮官も絶賛する謙虚な姿勢があった。(C)Getty Images

 3年ぶりのプレーオフ進出を狙うシカゴ・ブルズで、キャリア6年目のガード、コビー・ホワイトが目覚ましい活躍を見せている。

 現地時間3月6日(日本時間7日、日付は以下同)に行なわれたオーランド・マジック戦では、7本の3ポイントを沈めキャリアハイの44得点を叩き出し勝利に貢献した。

 八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)と同じ2019年のNBAドラフトで、7位指名を受けてブルズに入団したホワイトは、もともと点取り屋だった。ノースカロライナ大では、 それまで同校出身のレジェンド、マイケル・ジョーダン(元ブルズほか)が保持していたフレッシュマンの得点記録(460)を更新するほどのスコアリング力を発揮し、1年生を終えた時点でドラフトにアーリーエントリーしている。

 デビューしてまもない11月のニューヨーク・ニックス戦では、第4クォーターだけで7本の3ポイントを含む23得点をマークし、85-85の同点から120-102で勝利を奪う立役者となるなど、ホワイトは"一度火が着くと止まらなくなる"爆発力を備えていた。ちなみに、1クォーターでの3ポイント成功7本は球団記録でもあった。
 
 しかしその一方、ルーキーイヤーにはそうした"とにかく点を取りにいく"スタイルで壁にぶち当たることになる。ペネトレイトしてペイント内に切り込んでシュート、という定番のプレーは予測されやすく、『NBA.com』のスタッツを見ても、65試合に出場して61回浴びたブロックのうち、5フィート(1.52メートル)以内から打ったシュート時のものが56回と、数字もそれを証明していた。

 そんなホワイトが、昨季のMIP投票でフィラデルフィア・セブンティシクサーズのガード、タイリース・マキシーにわずか14ポイント差の2番手に選ばれるほど成長を遂げたのは、彼の謙虚さにある。

『The Athletic』に掲載された記事の中でも、彼はこんなコメントをしている。

「常に謙虚であること、それがすべてだ。鏡の中の自分に対して『これとこれをもっと上達させなければならない』『もっとフィジカルを鍛えなければならない』といったように、自分がどんな選手であるかを認識することが重要なんだ。自分の弱点を見つめる作業は決して易しいことではないけれど、それは必要不可欠なことで、それが自分のやり方なんだ」
 
NEXT
PAGE
ホワイトの姿勢を指揮官も絶賛