前シーズンにチーム最多の得点をマークしていながら、翌シーズンはベンチメンバーに降格となる、というのは、選手にとっては辛い処遇だ。
しかしそれでも腐ることなく毎試合奮戦し、ベンチスタートからの得点数で球団記録を塗り替える活躍を見せたのが、サンアントニオ・スパーズのスモールフォワード、ケルドン・ジョンソンだ。
現地時間4月8日に行なわれたロサンゼルス・クリッパーズ戦で、それまでマヌ・ジノビリが保持していたベンチスタートからのシーズン得点記録927(2007-08シーズン)を更新。最終的に、今季は77試合すべてベンチから出場し、総得点数を979まで伸ばしてシーズンを終えた。
2022-23シーズンには平均22.0点とチームのトップスコアラーだったジョンソンだが、同年オフにドラフト1位ルーキーのヴィクター・ウェンバンヤマが加入。翌シーズン開幕後の12月、グレッグ・ポポビッチHCから、スターターから外すことを告げられた。
パンチ不足だったセカンドユニットを強化すること、それからウェンバンヤマとデビン・ヴァッセルがファーストユニットでお互いの強みを活かしてプレーする機会をより多く作ることが、指揮官の狙いだった。
これを受けて当時のジョンソンは、「それがチームに必要なことで、彼(ポポビッチ)から自分たちにはそれが必要だと言われたら、僕としては問題ない」と地元紙に語っている。
それ以降は、昨年4月の1試合を除き、ジョンソンはスターターに復帰していない。しかしそれでもコートに上がるたびに全力でプレーする彼の献身さは、チームの活力源にもなっている。
ウェンバンヤマも「KJ(ジョンソン)やブレイク(ウェスリー)は、まるでマシンのようだ。どんな時でも常に100%出し切っている」と称賛の言葉を送っていた。
今回のこの記録更新は、まさにそうした彼のプレーを数字で表わしたものだとも言える。
「彼はチームの得点王だったにもかかわらず、ベンチメンバーとなった。若い選手にとっては辛いことだ。でも彼にはチームこそが最優先なんだ。彼は本当にスパーズを愛している。記録という形で彼の努力が報われたのは素晴らしい」
ミッチ・ジョンソン代行HCも、スパーズの最古参選手となったキャリア6年目のフォワードを称えた。
指揮官の言葉通り、ジョンソン自身もクリッパーズ戦の後、「スパーズのジャージーでそれを成し遂げたことに特別な意味がある」と、スパーズ愛を口にした。
この記録更新の可能性については、数日前に知らされるまではまったく頭になかったとのことだが、フランチャイズレジェンドのジノビリと同じ土俵に立ったことは「夢のようだ」とジョンソンは語る。
「彼は偉大な選手であるだけではなく、人としても素晴らしい。そんな彼のような選手と自分が並べて語られるなんて、ちょっと現実とは思えないくらいだ」
彼は以前のインタビューでも、「あらゆる競技における“シグネチャームーブ”の中で一番のお気に入りは?」と聞かれて、「マヌ・ジノビリのユーロステップ」と答えていたくらいだから、スパーズファミリーへの愛は相当深いようだ。
サンアントニオのあるテキサスといえば、カウボーイの聖地。会見上にたびたびカウボーイハットを被って登場するジョンソンは、自宅にもカウボーイブーツ専用のスペースを設けているという。どうやら文化も含めて、彼はまるごとサンアントニオを愛しているらしい。
若手を主体に再建中のチームにとっては、彼のような存在こそが、得難い戦力だ。
文●小川由紀子
しかしそれでも腐ることなく毎試合奮戦し、ベンチスタートからの得点数で球団記録を塗り替える活躍を見せたのが、サンアントニオ・スパーズのスモールフォワード、ケルドン・ジョンソンだ。
現地時間4月8日に行なわれたロサンゼルス・クリッパーズ戦で、それまでマヌ・ジノビリが保持していたベンチスタートからのシーズン得点記録927(2007-08シーズン)を更新。最終的に、今季は77試合すべてベンチから出場し、総得点数を979まで伸ばしてシーズンを終えた。
2022-23シーズンには平均22.0点とチームのトップスコアラーだったジョンソンだが、同年オフにドラフト1位ルーキーのヴィクター・ウェンバンヤマが加入。翌シーズン開幕後の12月、グレッグ・ポポビッチHCから、スターターから外すことを告げられた。
パンチ不足だったセカンドユニットを強化すること、それからウェンバンヤマとデビン・ヴァッセルがファーストユニットでお互いの強みを活かしてプレーする機会をより多く作ることが、指揮官の狙いだった。
これを受けて当時のジョンソンは、「それがチームに必要なことで、彼(ポポビッチ)から自分たちにはそれが必要だと言われたら、僕としては問題ない」と地元紙に語っている。
それ以降は、昨年4月の1試合を除き、ジョンソンはスターターに復帰していない。しかしそれでもコートに上がるたびに全力でプレーする彼の献身さは、チームの活力源にもなっている。
ウェンバンヤマも「KJ(ジョンソン)やブレイク(ウェスリー)は、まるでマシンのようだ。どんな時でも常に100%出し切っている」と称賛の言葉を送っていた。
今回のこの記録更新は、まさにそうした彼のプレーを数字で表わしたものだとも言える。
「彼はチームの得点王だったにもかかわらず、ベンチメンバーとなった。若い選手にとっては辛いことだ。でも彼にはチームこそが最優先なんだ。彼は本当にスパーズを愛している。記録という形で彼の努力が報われたのは素晴らしい」
ミッチ・ジョンソン代行HCも、スパーズの最古参選手となったキャリア6年目のフォワードを称えた。
指揮官の言葉通り、ジョンソン自身もクリッパーズ戦の後、「スパーズのジャージーでそれを成し遂げたことに特別な意味がある」と、スパーズ愛を口にした。
この記録更新の可能性については、数日前に知らされるまではまったく頭になかったとのことだが、フランチャイズレジェンドのジノビリと同じ土俵に立ったことは「夢のようだ」とジョンソンは語る。
「彼は偉大な選手であるだけではなく、人としても素晴らしい。そんな彼のような選手と自分が並べて語られるなんて、ちょっと現実とは思えないくらいだ」
彼は以前のインタビューでも、「あらゆる競技における“シグネチャームーブ”の中で一番のお気に入りは?」と聞かれて、「マヌ・ジノビリのユーロステップ」と答えていたくらいだから、スパーズファミリーへの愛は相当深いようだ。
サンアントニオのあるテキサスといえば、カウボーイの聖地。会見上にたびたびカウボーイハットを被って登場するジョンソンは、自宅にもカウボーイブーツ専用のスペースを設けているという。どうやら文化も含めて、彼はまるごとサンアントニオを愛しているらしい。
若手を主体に再建中のチームにとっては、彼のような存在こそが、得難い戦力だ。
文●小川由紀子
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