世界が注目する規格外の新星が、ついにシニアデビューを飾った。

　７月13日に開幕する女子バスケットボールの国際大会「FIBA女子アジアカップ2025」に向けて、ホストカントリーである中国女子代表は必勝態勢を期している。長期の合宿を綿密に繰り返しており、いよいよ仕上げのテストマッチを消化中。そのなかで、大きな期待を背負うニューヒロインがＡ代表デビューを果たした。226センチの巨躯を誇るチャン・ツーユウ（張子宇）である。
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　チャンが一躍脚光を浴びたのは、昨年７月に中国で行なわれたU-18女子アジアカップだった。中国は惜しくも準優勝に終わったが、自身は大会MVPを獲得する大活躍。絶対的なサイズ感で対峙するマーカーをことごとく圧倒し、５試合に出場して１試合平均35.0得点、決定率は71.4％を叩き出し、１試合平均リバウンド数も12.8回を記録した。１次ラウンドの日本戦では、大会新記録となる44得点をひとりで挙げてみせ、驚異の決定率90.9％をマークしたのだ。

　それでも中国国内ではプレースピードやスタミナ、チームプレーなどトップレベルではまだまだ課題が多いとの見解が大勢を占めていた。223センチの身長がさらに３センチ伸びて226センチとなったチャンは、そんな評価を覆す。年明けからの合宿でＡ代表の先輩たちと堂々渡り合い、不安要素を見事に払拭してみせたのである。

　今回のテストマッチはここまで３試合。チャンはＡ代表初ゲームとなったボスニア・ヘルツェゴビナ戦（６月13日）で、12分間の出場にして18得点・７リバウンドをマークする。いきなり101-55の勝利に貢献すると、続く日本戦（同18日）でも14分間の出場で18得点・10リバウンドと躍動してチームを101-92の快勝に導いた。さらに20日にも中国は日本と対戦して93ー61で連勝。チャンは９分間出場で16得点・４リバウンドを決め、ゲームのMVPに選出された。

　中国メディア『捜狐体育』は18歳の大器のハイパフォーマンスを手放しで称賛。「まだ出場時間は15分以内に制限されているが、チャンのチームにおける存在感と影響力はすでに大きい。圧倒的な攻撃性能のみならず、守備での貢献がすこぶる高いのは嬉しい驚きだった」と評し、「日本は厳しいマークを仕掛けてきたが、彼女はまるで慌てず冷静さを保ち、そのプレー精度が狂うことはなかった。彼女のさらなる成長が中国代表のアジアカップでの前途に直接影響するのは間違いない」と期待を寄せた。
  　１年前にU-18女子アジアカップでのチャンの大活躍を伝えたのが、FIBA（国際バスケットボール連盟）の公式SNSだった。今回も日本戦でのチャンのプレーをまとめたハイライト動画を投稿。「18歳のチャン・ツーユウは女子アジアカップに向けた親善マッチでシニア代表チームにデビューを遂げた」と紹介し、動画内では「新たに7.5フィート（約226センチ）となったチャン・ツーユーのハイライト」「18歳は日本戦で18得点を挙げた」との注釈が添えられた。

　投稿をチェックした世界中のファンからはあらためて驚嘆の声が上がった。「あれ？ またデカくなった？」「ヤバすぎる」「どうやって止めるんだよ！」「すべてがバージョンアップされてるぞ」「ピボットが素早くなった」「ダンクの必要ないもんな」「女性ヤオ・ミンだ」「ロス五輪ではアメリカの脅威になりそうだ」などなど、さまざまな意見が寄せられている。

構成●THE DIGEST編集部
【動画】226cmに成長したチャン・ツーユウが日本戦で披露した“衝撃パフォーマンス”をチェック！