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元キャブズ戦士がウォリアーズに敗れた2015年ファイナルを回想「自分たちが負けていたとは思っていない」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.06.25

2015年のキャブズはファイナルに勝ち進んだが、アービング(左)とラブ(右)の故障離脱が響き、初優勝はならなかった。(C)Getty Images

 現地時間6月22日(日本時間23日)、NBAファイナル第7戦がペイコム・センターで行なわれ、ホームのオクラホマシティ・サンダーがインディアナ・ペイサーズに103-91で勝利し、2024-25シーズンのNBAチャンピオンに輝いた。

 ファイナルが最終第7戦までもつれ込んだのは9年ぶり通算20回目。前回の2016年にクリーブランド・キャバリアーズに在籍し、球団初優勝に貢献した元選手2人がこの日会場にいた。

 試合を放送する米スポーツ専門局『ESPN』でアナリストを務めるリチャード・ジェファーソンと、イマン・シャンパートはチャンピオンリングをつけて会場に入り、サンダーの優勝を見届けた。

 2016年の頂上決戦は、レブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)、カイリー・アービング(現ダラス・マーベリックス)、ケビン・ラブ(現マイアミ・ヒート)らを擁するキャブズが、ステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーン、クレイ・トンプソン(現マブズ)率いる王者ゴールデンステイト・ウォリアーズに4試合を終えて1勝3敗と追いつめられる。

 しかし、第5戦からレブロンとアービングが爆発してキャブズが2連勝で逆王手をかけると、敵地での第7戦も93-89で勝利。終盤にはレブロンが超絶ブロックを披露し、さらにアービングが決勝弾となる3ポイントを沈めるなど、いくつもの印象的なプレーが生まれた。

 当時15年目のジェファーソン、5年目のシャンパートはローテーション入りし、キャリアで唯一の優勝を経験。会場でサンダー優勝のセレモニーが行なわれているなか、シャンパートは『ESPN』のトーク番組へ出演し、ウォリアーズに2勝4敗で敗れた2015年のファイナルについて語った。
 
「俺の基準で言えば、2015年の初めてのチャンピオンシップで自分たちが負けていたとは思っていない。カイリーがヒザを痛めて、俺は肩を負傷していた。JR(スミス)は背中に問題を抱えていたし、ケビン・ラブもそうだった」

 この年のプレーオフ、キャブズは度重なるアクシデントに見舞われた。1回戦でラブが肩を脱臼して戦線離脱すると、アービングはファイナル第1戦で左ヒザの膝蓋骨を骨折。第2の得点源(アービング)と第3の得点源(ラブ)を失うこととなった。

 それでも、キャブズは第2戦をオーバータイムの末に2点差でウォリアーズを下し、第3戦も5点差で勝利して2連勝。レブロンの超人的なパフォーマンスに加え、ティモフィ・モズゴフ、スミス、トリスタン・トンプソン、マシュー・デラベドーバ、シャンパートら脇役陣が奮戦した。

 だが、第4戦からウォリアーズがアンドリュー・ボーガットに代えてアンドレ・イグダーラを先発起用したことでシリーズの流れが一変。カリー、トンプソン、グリーン、ハリソン・バーンズ(現サンアントニオ・スパーズ)にイグダーラを加えた"スモールボール"が奏功し、そこからウォリアーズが3連勝してシリーズを制した。

 キャブズは敗れたとはいえ、このシリーズのベストプレーヤーは間違いなくレブロンだった。当時キャリア12年目の"キング"は、平均45.7分の出場で、35.8点、13.3リバウンド、8.8アシスト、1.3スティールと獅子奮迅の活躍で戦い抜いた。

 そんな大黒柱について、シャンパートは「レブロンがどこに問題を抱えていたかは思い出せない。でも確か彼は次のシーズンが始まる前に、背中の手術を受けていた」と明かしていた。

 スポーツ界で、"たられば"は禁物だが、2015年のプレーオフでキャブズの主力が最後まで健康体を維持できていたら、勝者が変わっていた可能性もあるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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