ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)、オクラホマシティ・サンダー時代のラッセル・ウエストブルック(現デンバー・ナゲッツ)、若手時代のジョン・ウォール(元ワシントン・ウィザーズほか)、デリック・ローズ(元シカゴ・ブルズほか)、など、2010年代~現代のNBAにはアスレティック能力の高いポイントガード(PG)がいた。
しかし、モラントやローズがNBA入りする以前に、彼らに匹敵する身体能力を持ち、独自のスタイルを築いていたPGが存在した。
その男の名はスティーブ・フランシス。メリーランド大出身の191㎝の司令塔は、卓越したハンドリングスキルと、恵まれた身体能力を活かしたダンクで、一世を風靡した。
元チームメイトで親友のカッティノ・モーブリーは、当時のリーグで他のどのガードも成し遂げていなかったことをやってのける姿を見るのは、興奮以外の何物でもなかったという。
1999年のドラフトでバンクーバー(現メンフィス)グリズリーズから全体2位で指名され、その後ヒューストン・ロケッツにトレードされたフランシスは、1年目から平均18.0点、6.6アシスト、1.5スティールをあげ、エルトン・ブランド(シカゴ・ブルズ)とともに新人王を同時受賞。スコアリングとアシストだけでなく、積極的にゴール下に入り込み、ビッグマンの上からリバウンドを奪うことも珍しくなかった。
また、2月にオークランドで行なわれたオールスターのスラムダンク・コンテストではヴィンス・カーター(当時トロント・ラプターズ)に次ぐ2位に入った。
6月中旬にポール・ジョージ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)のポッドキャスト番組『Podcast P with Paul George』に出演したモーブリーは、フランシスについて次のように語った。
「ガードがああいうリバウンドの取り方をするのを見たことがなかった。スティーブはリムにアタックする方法やガードとしてのリバウンドの取り方を私に教えてくれて、より良い選手にしてくれた。
当時、ガードがリバウンドに入ることを、ビッグマンたちは許さなかった。彼らの稼ぎどころだからね。エルボーをもらったり、ぶつかられたり、痛い思いをする。『そこから出ていけ』って感じだったんだ」
実際、モーブリーの言葉通り、フランシスはリバウンド力に長け、ルーキーシーズンから5.2本(オフェンシブ・リバウンド2.0本)、2年目は6.9リバウンド(オフェンシブ・リバウンド2.4本/リーグ28位)、3年目にはリーグ46位の7.0本を奪った。
「みんなはジャ・モラントやデリック・ローズのことばかり話すけど、爆発力のあるPGと言えばスティーブ・フランシスが最初だったと思う。そしてスティーブは、NBAの歴史を通して見ても、大柄なビッグマン相手に安定してダンクを決めていた最初の選手だ。16リバウンドとアシストを同時にこなすなんて、彼はまさに異端児だった。特にPGでそんなことをやるなんて普通じゃなかったんだ」とモーブリーは振り返った。
豪快なダンクとPG離れしたリバウンド力。フランシスは、時代を先取りしていた“進化系PG”の原点だったのかもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
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1999年のドラフトでバンクーバー(現メンフィス)グリズリーズから全体2位で指名され、その後ヒューストン・ロケッツにトレードされたフランシスは、1年目から平均18.0点、6.6アシスト、1.5スティールをあげ、エルトン・ブランド(シカゴ・ブルズ)とともに新人王を同時受賞。スコアリングとアシストだけでなく、積極的にゴール下に入り込み、ビッグマンの上からリバウンドを奪うことも珍しくなかった。
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6月中旬にポール・ジョージ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)のポッドキャスト番組『Podcast P with Paul George』に出演したモーブリーは、フランシスについて次のように語った。
「ガードがああいうリバウンドの取り方をするのを見たことがなかった。スティーブはリムにアタックする方法やガードとしてのリバウンドの取り方を私に教えてくれて、より良い選手にしてくれた。
当時、ガードがリバウンドに入ることを、ビッグマンたちは許さなかった。彼らの稼ぎどころだからね。エルボーをもらったり、ぶつかられたり、痛い思いをする。『そこから出ていけ』って感じだったんだ」
実際、モーブリーの言葉通り、フランシスはリバウンド力に長け、ルーキーシーズンから5.2本(オフェンシブ・リバウンド2.0本)、2年目は6.9リバウンド(オフェンシブ・リバウンド2.4本/リーグ28位)、3年目にはリーグ46位の7.0本を奪った。
「みんなはジャ・モラントやデリック・ローズのことばかり話すけど、爆発力のあるPGと言えばスティーブ・フランシスが最初だったと思う。そしてスティーブは、NBAの歴史を通して見ても、大柄なビッグマン相手に安定してダンクを決めていた最初の選手だ。16リバウンドとアシストを同時にこなすなんて、彼はまさに異端児だった。特にPGでそんなことをやるなんて普通じゃなかったんだ」とモーブリーは振り返った。
豪快なダンクとPG離れしたリバウンド力。フランシスは、時代を先取りしていた“進化系PG”の原点だったのかもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
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