来季限りで“ポイント・ゴッド”の華麗なプレーが見納めとなってしまうかもしれない。

　キャリア20年目のシーズンを終えたクリス・ポールは、サンアントニオ・スパーズでプレーした昨季、当時39歳にして自身10年ぶり２度目の全82試合にフル出場。すべてのゲームで先発としてコートに立ち、平均28.0分のプレータイムで8.8点、3.6リバウンド、リーグ７位の7.4アシスト、1.3スティール、フィールドゴール成功率42.7％、３ポイント成功率37.7％をマークした。

　さすがに全盛期と比べれば衰えたとはいえ、卓越したゲームメークやバスケットボールIQは健在で、司令塔としてオフェンスをコントロール。一昨季＆昨季新人王のヴィクター・ウェンバンヤマやステフォン・キャッスルらヤングタレントに自身が持つ豊富な経験を還元し、若手たちのよき手本となった。

　そんなポールは今オフ、スパーズとの契約を満了したため完全FA（フリーエージェント）に。まだ来季の所属先は決まっていないが、チームに好影響を与えられる存在であることは間違いないだけに、多くの球団が安価での獲得を狙い、またポール側も悲願のチャンピオンリングを手にすべく、強豪でのプレーを望むことだろう。

　ただ、もしかするとポールが優勝できるチャンスは、来季が最後となるかもしれない。
  　現地時間７月６日（日本時間７日、日付は以下同）、マイアミで開催された“アメリカン・ブラック・フィルム・フェスティバル”でスポーツジャーナリストのジェレミー・ヒルのインタビューに答えたポールは、「高いレベルでプレーしているが、キャリアの黄昏時にあると言っていい。あとどれくらいプレーするつもりなの？」と問われ、笑いながらこう答えた。

「せいぜい１年かな。20年目のシーズンを終えたばかりだ。それ自体が幸せなことだよ。人生の半分以上をNBAで過ごしてきた。それ自体が幸せなことなんだ。

　でも、この数年間は子どもたちや家族と過ごせていない。僕のおばあちゃんは、僕がプレーする試合を毎晩欠かさず見てくれている。だけどその瞬間にハグしたり、叔父や叔母に会ったりすることは、したくてもなかなかできないんだ」

　そう語り、2025-26シーズン限りでの引退を示唆したポール。もしそうなってしまうのならば、最後にリーグ制覇という悲願を成就させ、有終の美を飾ってコートを去ってほしいところだ。

構成●ダンクシュート編集部

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