シーズン全体で見ても、サンダーが現在の勝率を維持できた場合、最終的に78.7勝をあげる計算になる。

　これは1995－96シーズンのシカゴ・ブルズ（72勝10敗／勝率87.8％）、2015－16シーズンのウォリアーズ（73勝９敗／勝率89.0％）に続いてNBA史上３例目の70勝チームとなるだけでなく、歴代最高勝率記録を塗り替えることになる。

　長丁場のシーズンだけに、この先、調子を落として黒星先行に陥る可能性があることは否定できない。それでも、ほんの４シーズン前は24勝58敗（勝率29.3％）と低迷し、2021年12月２日にはメンフィス・グリズリーズに73点差（79－152）と歴史的大敗を喫した過去があるため、その悔しさもモチベーションに、このまま勝ち続けることも十分考えられる。
  「勝ち続けることに飽きたりはしない。このチームの何人かの選手は、大敗していた時期を経験した。多くの選手が心の奥でそのことを意識しているんだと思う。僕だって、１年目はそれほど勝てなかった。だから、自分たちがこのプロセスに飽きることはないんだ」

　ウィリアムズがそう口にしたように、サンダーは相手チームのペースに合わせることなく、ひたむきに勝利だけを見据えている。

　現在のNBAにおける最大の注目点は、この絶対王者の連勝をどのチームが阻止するかだろう。それはヴィクター・ウェンバンヤマの復帰も期待されるスパーズなのか、あるいは他チームなのか。いずれにせよ、サンダーから勝利することは、全チームにとって大きな注目を集めるチャンスなのは間違いない。

文●秋山裕之（フリーライター）

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