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NBA

ドラフト1位指名の栄光から急転落、そして再び這い上がったグレッグ・オーデン。“失敗作の代表例”となった男の波瀾万丈な人生に迫る

ダンクシュート編集部

2020.03.27

人生のどん底から這い上がり、2019年にはBIG3にも参戦。(C)Getty Images

人生のどん底から這い上がり、2019年にはBIG3にも参戦。(C)Getty Images

 3年間のブランクを経て2013-14シーズンにマイアミ・ヒートと契約するも、23試合の出場で平均2.9点、2.3リバウンドにとどまり、シーズン終了後に解雇。実働わずか3年、通算105試合に出場し平均8.0点、6.2リバウンドという寂しいキャリアスタッツを残し、NBAの舞台から姿を消した。

 2014年には、元交際相手の顔面を殴ったとして暴行容疑で逮捕。2015年からは中国でプレーし、2016年10月に28歳で現役生活にピリオドを打っている。

 中国から帰国後にはうつ病となり、アルコール依存症や麻薬性鎮痛薬の一種であるオピオイドを服用していたことも明かしていたオーデン。人生のどん底から這い上がるきっかけとなったのは、2017年に母校オハイオ州大に戻り、2年生として学業を再開させたことだった。

 カレッジレベルで指導者になることを見据え、条件となる学位取得のために復学を決断。バスケットボールチームの学生コーチを務めながら、2019年5月に見事卒業を迎えた。プライベートでも2017年にガールフレンドのサブリナさんと結婚し、子宝にも恵まれている。
 
「プレーしなくなって、人生の中心がバスケットボールじゃなくなった。バスケットボールを奪われた時『俺は誰なんだ?』『何をしたいんだ?』『何をするのが楽しいんだ?』と考えたよ。俺には学校に行くという“言い訳”があった。でも、小さな娘(3歳のロンディンちゃん)と家族がいたから、いい父親にもなりたかったし、家族を養いたかった。バスケットボールは新しいことにチャレンジし、何をすれば楽しめるか学ぶゆとりを与えてくれたよ。俺が最も愛するのは家族。みんなと一緒に家にいる時間を与えてくれるものを見つけたかったんだ。それが俺の最優先事項さ」

 2018年には優勝賞金200万ドル(約2億2200万円)を懸けた夏のトーナメントに参加すると、昨年は3対3のプロリーグ「BIG3」にも出場。2019年11月に金融業界へ転身し、現在は企業のファイナンシャルアドバイザー(財務顧問)を務めている。

「ボルティモアに拠点を置く『Edyoucore Sports & Entertainment』という金融教育の企業で、アスリートアドバイザーを務めている。毎日楽しんでいるよ。俺はアスリートたちに、『キャリアがいつ終わるかわからないから、支出に関してもっと意識するように』と話している。貯金して、できるだけ多くのお金を確保しておくことを勧めているんだ」
 
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