一方、レジー・ルイスは不幸な形でキャリアを断たれた1人だ。90年代初期のボストン・セルティックスで頭角を現わし、バードの引退後はキャプテンを継承。順風満帆のプロ生活を送っていたが、93年のオフシーズン、練習中に倒れて27歳の若さでこの世を去った。95年に欠番となったが、死後の欠番は球団史上初めてのケースだった。
もちろん成功例もいくつかある。ルイス以前の35番で活躍した選手としては、ポール・サイラスが思い浮かぶ。フェニックス・サンズからセルティックスに移った72年に29番から35番に変えると、4年連続で平均2桁リバウンドを記録し、74、76年の優勝に貢献。シアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)移籍後もこの番号で、79年に自身3度目の優勝を味わった。
80年代にユタ・ジャズの主力だったダレル・グリフィスは、“ドクター・ダンケンシュタイン”と呼ばれた豪快なダンクに加え、シュートも上手く83-84シーズンに3ポイント成功率1位に輝いている。引退までジャズでプレーし続けたグリフィスは93年、同番号着用者として、存命中に欠番とされた唯一の選手となった。もう1人の欠番であるロジャー・ブラウンは、インディアナ・ペイサーズがABAで3度王者に輝いた黄金期の中心メンバー。ペイサーズの契約選手第1号でもあり、高い得点力と勝負強さが売りだった。NBA編入前に引退し、97年に亡くなっているが、殿堂入りした2013年に欠番とされている。
欠番ではないがラリー・ケノンもABA出身者で、74年にニューヨーク(現ブルックリン)・ネッツで優勝を経験。NBAではサンアントニオ・スパーズの中心選手として人気を博し、2度オールスターに選ばれた。
ルディ・ラルッソは60年代にレイカーズの一員として4度もファイナルに出場したが、8連覇中のセルティックスに阻まれ1度も優勝できなかった。5度目のオールスターに選ばれた69年を最後に、家庭を優先させるため31歳で引退している。一方、シカゴ・ブルズのジェイソン・キャフィー、レイカーズのマーク・マドセンは、選手としては今ひとつながら強豪球団に所属していたため、チャンピオンリングを獲得したラッキーな例だ。
そのほか、アーメン・ギリアムやロイ・ボート、クリス・ケイマンにジェイソン・コリンズら、35番にはビッグマンが多めなのも特徴。最近でもデンバー・ナゲッツで活躍したケネス・ファリード、現役のマービン・バグリー三世(キングス)、クリスチャン・ウッド(デトロイト・ピストンズ)もみなビッグマンである。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2014年8月号掲載原稿に加筆・修正。
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もちろん成功例もいくつかある。ルイス以前の35番で活躍した選手としては、ポール・サイラスが思い浮かぶ。フェニックス・サンズからセルティックスに移った72年に29番から35番に変えると、4年連続で平均2桁リバウンドを記録し、74、76年の優勝に貢献。シアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)移籍後もこの番号で、79年に自身3度目の優勝を味わった。
80年代にユタ・ジャズの主力だったダレル・グリフィスは、“ドクター・ダンケンシュタイン”と呼ばれた豪快なダンクに加え、シュートも上手く83-84シーズンに3ポイント成功率1位に輝いている。引退までジャズでプレーし続けたグリフィスは93年、同番号着用者として、存命中に欠番とされた唯一の選手となった。もう1人の欠番であるロジャー・ブラウンは、インディアナ・ペイサーズがABAで3度王者に輝いた黄金期の中心メンバー。ペイサーズの契約選手第1号でもあり、高い得点力と勝負強さが売りだった。NBA編入前に引退し、97年に亡くなっているが、殿堂入りした2013年に欠番とされている。
欠番ではないがラリー・ケノンもABA出身者で、74年にニューヨーク(現ブルックリン)・ネッツで優勝を経験。NBAではサンアントニオ・スパーズの中心選手として人気を博し、2度オールスターに選ばれた。
ルディ・ラルッソは60年代にレイカーズの一員として4度もファイナルに出場したが、8連覇中のセルティックスに阻まれ1度も優勝できなかった。5度目のオールスターに選ばれた69年を最後に、家庭を優先させるため31歳で引退している。一方、シカゴ・ブルズのジェイソン・キャフィー、レイカーズのマーク・マドセンは、選手としては今ひとつながら強豪球団に所属していたため、チャンピオンリングを獲得したラッキーな例だ。
そのほか、アーメン・ギリアムやロイ・ボート、クリス・ケイマンにジェイソン・コリンズら、35番にはビッグマンが多めなのも特徴。最近でもデンバー・ナゲッツで活躍したケネス・ファリード、現役のマービン・バグリー三世(キングス)、クリスチャン・ウッド(デトロイト・ピストンズ)もみなビッグマンである。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2014年8月号掲載原稿に加筆・修正。
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