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NBA

“神様”に対抗心を燃やしたケンドール・ギルが振り返るブルズの「勝利の方程式」

ダンクシュート編集部

2020.05.10

高い身体能力を持ったギルはプロ2年目に平均20.5点、1.9スティールをあげるなど、攻守万能の選手として活躍した。(C)Getty Images

高い身体能力を持ったギルはプロ2年目に平均20.5点、1.9スティールをあげるなど、攻守万能の選手として活躍した。(C)Getty Images

「ブルズと対戦すると、試合序盤は競った展開になることもあったけど、そこから彼らはスイッチを入れる。そうすると、15~20点のランで一気に突き放してくる。それが彼らのチーム力だ。素晴らしい競走馬は後ろからスタートして、他の馬を圧倒して抜き去る。リードを奪ってもすぐに追いついてきて、突き放されるんだ」

 ギルは同じイリノイ州出身のクレイグ・ホッジス(1988~92年にブルズでプレー)に、ブルズの強さの秘訣について一度訪ねたことがあったと明かす。

「『突然チャンピオンシップを勝ち始めたのはどうして?』と訊いたんだ。彼は『システムさ』と言ったよ。フィル・ジャクソンが来て、ブルズはトライアングル・オフェンスを導入し、マイケルは他の選手とボールを共有する方法を学んだ。それから彼らは勝ち始めたんだ。トライアングルは、私がこれまで対戦した中で最高のオフェンスだ」

 ギルは多くの識者たち同様、スコッティ・ピッペンがいたことでブルズのトライアングル・オフェンスが完成したと見ている。しかし、その一方でリーグ史に残るオールラウンダーのピッペンにも、“弱点”はあったと指摘している。
 
「スコッティはスマートだった。マイケル、スコッティ、デニス・ロッドマン、トライアングルを実行するには高いバスケットボールIQが必要になる。素晴らしいディフェンダーになるには高いバスケIQが必要なんだ。それを持っていたのがスコッティだった。多くの人は彼が身長201cmだと思っているけど、実際は203cmくらいあった。サイズがあり、手足が長く、激しくて、パッシングレーンでプレーできるからどんな選手も守れる。スコッティは最終的にシュートレンジを伸ばして、ジャンプショットも武器とした。トライアングルも知り尽くしていたから、彼はより優れた選手になった。

 スコッティは私の友人で、史上最高の50人にも選ばれているけど、弱点があった。彼の弱点は、右から左へのクロスオーバードリブルを守れないことだった。グラント・ヒルやコビー・ブライアントと対戦しているのを見て、私はそれを見つけた。それからは彼に対して何度も使ったよ」

 現在、ブルズが最後に優勝した1997-98シーズンに密着して撮影したドキュメンタリー10部作『ザ・ラストダンス』が放映されており、ブルズというフランチャイズや当時のメンバーに改めて脚光が当てられている。ブルズの強さを肌で感じてきたギルは、「ブルズが強かったことは知っているから、それに関しての興奮はないけど、何が起こっていたのか舞台裏を見れるのは嬉しいね」と心を躍らせていた。

構成●ダンクシュート編集部

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