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NBA

八村塁の将来的なベストポジションはSF?球団OBのクリス・ウェバーも挑戦を後押し

北舘洋一郎

2020.06.23

ストレッチ4の代表格であるマブズのポルジンギス。221cmの高さがありながら、今季の3ポイント試投数は平均7.1本と全シュートの4割以上を占める。(C)Getty Images

ストレッチ4の代表格であるマブズのポルジンギス。221cmの高さがありながら、今季の3ポイント試投数は平均7.1本と全シュートの4割以上を占める。(C)Getty Images

「八村に限った話ではないが、(今のNBAでは)ほぼ全員が2つのポジションをこなす技量が求められている。インサイドの選手でもストレッチ4は当たり前になって、今ではストレッチ5をこなす選手も多い。インサイドプレーヤーでも3ポイントを高確率で決めることは当たり前になってきている。しかし、八村の場合はせっかくの高い運動能力があるのだから大型スモールフォワードという領域で活躍する可能性に挑戦してもらいたい。そのための課題は、1試合に何点取るかということよりも、その成功率を上げることが先決だろう」とウエバーは言う。

 少し前に、アメリカのネット上でダラス・マーベリックスのある戦術について議論されたことがあった。221cmという圧倒的な高さを持つクリスタプス・ポルジンギスをあえてアウトサイドにポジショニングさせ、できる限りペイントエリアをオープンにして攻める戦い方は、現代NBAの代表的なオフェンススタイルになるのかというものだ。ポルジンギスほどの高さはないものの、八村にもペイントエリアまでディフェンスを押し込んで得点できる強さは備わっている。もし流れの中でアウトサイドから1on1を仕掛ける形が増えれば、今のNBAのオフェンススタイルとも十分に噛み合ったプレーができるだろう。
 
 これは私見だが、八村には全盛期のアマレ・スタッダマイアーのような攻撃力の高いフィニッシャーになれる条件は整っている。スタッダマイアーの全盛期には的確なパスを供給してくれるスティーブ・ナッシュがいた。ウィザーズも来季、司令塔のジョン・ウォールがコートに戻って来れば、八村への好アシストは確実に増えるはず。それと同時に、どんなプレーにでも正確性が問われるようになる。

 八村は将来的に、平均20点、10リバウンドのダブルダブルを毎試合で達成できるような資質は十分にある。あとは、それをチームがどう構築するかだ。そのためにもウォールの復帰が八村の今後の大きな起爆剤になると予想している。ファーストブレイクで最前線を走る八村にウォールがロングパスを出し、八村がダンクでフィニッシュ。1試合にこれが2~3回決まれば、ウィザーズにいい流れが向いている証拠になる。

 ウィザーズがピック&ロールを中心としたハーフコートバスケットを多用する理由は、今季の得点源がブラッドリー・ビール1人であるからではないのかと推測する。もしここにウォールが加われば、ウィザーズのオフェンスのバリエーションは大きく広がるはずだ。そうなった時に八村はウォール、ビールに次ぐ3番手スコアラー、かつチームのトップリバウンダーとして、ウィザーズの主役の1人となるはずだ。

文●北舘洋一郎

【PHOTO】攻守でアグレッシブに躍動!初年度から抜群の存在感を放つ“即戦力ルーキー”八村塁の厳選ショット!

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