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NBA

シクサーズを追われたバークレーに訪れた“復活の時”。唯一無二の個性派は引退後も健在【NBAレジェンド列伝・後編】

出野哲也

2020.08.07

引退後は解説者として持ち前の“トーク力”を発揮。現役時代と変わらぬ存在感を放っている。(C)Getty Images

引退後は解説者として持ち前の“トーク力”を発揮。現役時代と変わらぬ存在感を放っている。(C)Getty Images

 シクサーズよりはるかに優秀なチームに加わり、バークレーのモチベーションはいやが上にも掻き立てられた。移籍初年度に平均25.6点、12.2リバウンドをマークし、サンズをリーグ最多の62勝に導いて初のMVPを受賞。ファイナルでもブルズ相手に熱戦を繰り広げたが、惜しくも2勝4敗で敗退した。

「優勝できなくたってキャリアに傷がつくわけじゃないし、俺の生活は何も変わらない」と言い張ったのは、どこまで本心だったのだろう。

 以降はファイナルに戻ってくることはなく、96年にロケッツへ移籍。99-00シーズン中、試合中のアクシデントでヒザを負傷し、16年間のキャリアに突然終止符が打たれた。

■引退後は解説者に転身。お茶の間の人気者となる

 引退後も物議を醸すような行動・発言は枚挙に暇がなかったが、人気が落ちることはなかった。優等生ではなくとも、彼はいつでも正直で、自分が間違っていたらそれを認める勇気を持っていたからだ。

 バークレー嫌いを公言していたあるジャーナリストも「実際に何日か取材をしてみて、自分が間違っていたことに気付いた」と語っている。
 
 交友関係も広く、NBAではジョーダンと肝胆相照らす仲だったのをはじめ、カール・マローンやジョン・ストックトン、リック・マホーン、意外なところではジェリー・スローンからも、殿堂入りに際しプレゼンターとして指名された。その他のスポーツ界ではタイガー・ウッズや、大学の同窓であるMLB兼NFLプレーヤーのボー・ジャクソンとも共同でビジネスを展開している。

「将来は大統領になる」と言い続け、NBA時代も何度か故郷のアラバマ州知事選出馬をほのめかしていたが、政界進出は実現していない。かつては共和党の支持者だったが、トランプ政権になってからは民主党寄りの姿勢に変わっている。

 また引退直後からTNTで解説を務め、旧友ジョーダンからレブロン・ジェームズに至るまで辛辣な批評を下しつつ、テレビCMなどにも顔を出し、セレブリティとしての生活を謳歌している。

「60歳になったら仕事は辞める」とも言っているが、これまで何度も引退宣言を撤回している彼のことだから信用はできない。この唯一無二の個性派は、好むと好まざるとにかかわらず、これからも無視することのできない存在であり続けることだろう。

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2012年10月号掲載原稿に加筆・修正。

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