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NBA

「我々がファイナルにいるべきだった」と悔やむラプターズのニック・ナースHC。シアカム、ガソルが不振に陥った要因とは?

秋山裕之

2020.10.12

 プレーオフでも不調は続き、平均17.0点、7.5リバウンド、3.8アシスト、1.1スティール、FG成功率39.6%、3ポイント成功率18.9%と完全に不発。敗退後に「間違いない。僕は上手くならないと。この瞬間、ここで得た経験、チームメイトたちを助けることができなかったこと、そこから学ばなければいけない。僕には多くの責任がある」と来季に向けて奮起を誓っていた。

 ナースHCは「彼は本来の状態ではなかった。活気を失っていたと私は見ている。アスレティックでもなかったし、強靭さも、速さもそう。3月は万全のコンディションだったけど、3、4か月の中断期間で失われてしまった。(第二幕で)それらを取り戻すことができなかったんだ」と評した。

 とはいえ、約4か月間に及んだシーズン中断は、第二幕でプレーした選手たち全員が経験したこと。「(ロサンゼルス)レイカーズと(マイアミ)ヒートも中断期間はあったが、彼らはそこで失速することはなかった。だからこそ、ファイナルでプレーしているんだ」とナースHCは語る。
 
 新型コロナウイルスのパンデミックによって前代未聞のシーズン中断となったNBA。フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内に設けられたバブルという開催地で、約100日間にも及んだ第二幕は、10月11日にレイカーズがヒートを4勝2敗で下し、ファイナルを制したことで幕を下ろした。

 現時点で来季の開幕時期は決まっておらず、早くても来年1月とアダム・シルバー・コミッショナーが話していることから、これから来季に向けて議論を重ねて調整していくことだろう。

 はたして、昨季王者のラプターズは覇権を奪回することができるのか。今季終了後にガソル、サージ・イバカ、フレッド・ヴァンブリートが完全FA(フリーエージェント)となるため、彼らの処遇によっては戦力ダウンが避けられない。競争力を保つための最大のポイントは、シアカムのさらなる成長にかかっていると言っていいだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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