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NBA

【NBA名脇役列伝・前編】ネイト・マクミラン――唯一無二の“ミスター・ソニック”

出野哲也

2020.12.30

 クリス・ウォッシュバーンやヴィニー・デルネグロといった才能豊かなタレントを揃えたNCSUは、85、86年に2年連続でNCAAトーナメントの準々決勝に進出。そして迎えた86年のドラフトで、ウォッシュバーンが全体3位でゴールデンステイト・ウォリアーズに、マクミランも2巡目6位(全体30位)でソニックスに指名された。

 ソニックスはマクミランがウエスタンで最も好きなチームだったが、それは嫌っていたロサンゼルス・レイカーズに対抗できるからとの理由だけで、贔屓の選手がいたわけでもなく、シアトルという街の知識もなかった。何より、実家から100マイル以上離れた経験のない彼にとって、国の反対側で暮らす不安は大きかった。シアトルへ発つ前の晩にはフィアンセのミシェルと2人で、「今度会えるのはいつになるんだろう」と、泣きながら夜を明かしたという。
 
 だが、いざプロ生活に足を踏み入れると、彼のプレーメーカー、ディフェンダーとしての能力はすぐに発揮された。1年目から先発の座を掴み、リーグ7位の平均8.2アシストをマークする。「選手たちは、オープンになれば必ずネイトからパスが回ってくると確信している」(バーニー・ビッカースタッフHC)ほどの信頼を寄せられたマクミラン。87年2月23日のクリッパーズ戦では25本のアシストを繰り出し、13年前にアーニー・ディグレゴリオ(バッファロー・ブレーブス=現ロサンゼルス・クリッパーズ)が樹立した新人記録に並んだのである。

 3年目には平均アシスト数を9.3本(リーグ5位)にまで伸ばし、また守備でも俊敏な動きでスティールを連発。身長193㎝とPGとしてはかなり大柄な体格を利して、スモールフォワードまでマッチアップできた。(後編へ続く)

文●出野哲也
※『ダンクシュート』2014年3月号掲載原稿に加筆・修正。

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