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NBA

八村塁の育成係現る?元オールスターのアントワン・ジェイミソンがウィザーズのフロントへ

杉浦大介

2019.10.04

今夏に古巣ウィザーズのフロント入りしたジェイミソン。元オールスターフォワードは、八村にとって良いお手本となりそうだ(C)Getty Images

今夏に古巣ウィザーズのフロント入りしたジェイミソン。元オールスターフォワードは、八村にとって良いお手本となりそうだ(C)Getty Images

 14年の現役引退後、ジェイミソンはレイカーズのテレビ解説者を経て、17年10月からはチームのスカウトを2シーズン務めた。そしてこの8月に旧知のシェパードに呼び戻され、ウィザーズ入り。今後は同じ部門の副社長であるジョニー・ロジャースとともに、NBAとGリーグのスカウティング、国際レベルでのスカウティングを担当するという。

「僕はこれまでマーク・キューバン、アーニー・グランフェルド、ドック・リバース、ミッチ・カプチ
ャックといった人たちの周囲で過ごし、彼らのおかげで多くを学んできた。フロントオフィスを構成するパズルの1ピースとして、適切な仕事をしていきたい。楽しい仕事になるよ。DCに戻ってこられて幸せだし、互いに尊敬し合える人々と一緒にいられることも嬉しく思う」。
 ルイジアナ州出身の好漢はそう語り、新たなチャレンジに意欲を見せている。もともと引退後はフロントでの仕事を希望していただけに、実績を積み、さらに上の役職に進むことも十分に考えられる。

 最後に付け加えておくと、ジェイミソンは今年のドラフト1巡目9位でウィザーズ入りした八村塁の育成に関わっていく可能性もありそうだ。多彩な得点力を誇るコンボフォワードという点で、ジェイミソンと八村の共通点を指摘する関係者は少なくない。NBAではロングジャンパーが課題のひとつとされる八村にとって、学生時代はポストプレーを得意としながら、プロ入り後に現代流行の“ストレッチ4”の先駆けのような存在へと“転身”を遂げた先輩から学べることは多いのではないか。そういった意味でも、ジェイミソンは注目の人物。これから新たなチーム作りを始めるウィザーズに、どんな形で貢献していくのか、本当に楽しみである。

■PROFILE
アントワン・ジェイミソン:1976年6月12日、ルイジアナ州シュリーブポート生まれ。95年に名門ノースカロライナ大に入学。主要個人賞を総なめにした98年、NBAドラフトでラプターズから1巡目4位指名を受ける(直後にウォリアーズへトレード)。2003年にマブズへ移籍すると、ベンチの得点源として起用され、シックスマン賞を受賞。翌年にトレードされたウィザーズでは先発に復帰し、05、08年に球宴出場を果たした。その後、キャブズ、レイカーズ、クリッパーズでプレーし14年に引退。16年間の選手生活で通算1083試合に出場し、平均18.5点を記録した。引退後はレイカーズのTV解説者、スカウトを経て、19年8月14日、ウィザーズの選手人事部門ディレクターに就任。

文●杉浦大介

※『ダンクシュート』2019年11月号より転載。
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