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NBA

3ポイントのファウル獲得数でNBA全チームを圧倒するハーデン。ルール変更による影響は?<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.09.02

 もっともNBAは今季から、ファウルを誘うための“バスケットボール以外の動き”をした場合は、オフェンシブ・ファウルと判定するというルール変更が発表されている。

 シュートタッチが悪く、フィールドゴールがなかなか決まらない試合で、ハーデンやステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)、トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)といったスコアラーたちは高確率なフリースローで得点を稼いできただけに、今回のルール変更は彼らのプレースタイルに影響を及ぼすことが予想される。

 昨季バックスの優勝に貢献し、ロケッツ時代にはハーデンと共闘したPJ・タッカー(現マイアミ・ヒート)は、2019年5月に『The Players’ Tribune』でこんな言葉を残していた。

「俺はかつて、彼(ハーデン)にファウルしようとした。ところが、それが毎回俺の頭をおかしくさせたんだ。なぜって、その全てが彼の狙いだったからさ。どれだけ優秀なディフェンダーであろうと、ジェームズは相手に接触して、コンタクトしてもそれを吸い上げるかのようにそのままショットまで持ち込んでしまう。それだけ彼は強靭なんだ。彼が笛をたくさん吹かれれば、それだけ相手もイラついてしまう。そこで彼はアタックし続けるのさ」
 
 ビッグマン顔負けの頑強な肉体を誇るハーデンは、独特なステップとロングシュートを武器に、どんな相手であろうと意のままにゴールを奪うことができる。だが意図的にディフェンダーと接触してファウルを獲得する回数は、今回のルール変更によって減少するかもしれない。

 それでも、ハーデンならば新ルールに対しても解決策を見出してアジャストするのではないか。2019年のジャパンゲームズで来日した際、ハーデンは「俺は常にクリエイティブでいたい」と語り、自身のスタイルについてこう話していた。

「俺はファッションでもバスケットボールでも、やることすべてにおいてクリエイティブなのさ。何をやっていてもインパクトを与えられるようにね。バスケットだと、どうやってこのゲームにインパクトをもたらすか、それこそが最終的な目標なんだ。子どもたちや若者たちといった次の世代が、俺たちのことを見上げてその技を見ている。だから常にジムの中に住みついている。見たことがあるか分からないけど、試合後はいつもショットの練習をしたり技術を磨いていて、本当に毎日、もっと上手くなる方法を探っているんだ。そうしないと自分が何をやるべきなのかが分からなくなっちゃうからね」

 ステップバックスリーや片足スリー、相手を幻惑するハンドリングなどオリジナリティあふれるプレーで現在の地位を築いたハーデン。健康体を取り戻して迎える今季も、この男なら新たな技でリーグを席巻するに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)
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