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NBA

ポールがハーデンと共闘したロケッツ時代を悔恨「互いの才能を理解できていなかった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.09.06

 8月31日(日本時間9月1日)にYouTubeへ公開された『No Chill with Gilbert Arenas』で、ポールはロケッツ時代をこう振り返る。

「ヒューストン時代のことは覚えているよ。彼ら(ロケッツ)が理解すべきだったのは唯ひとつ。それはジェームズが自身の才能と僕の才能を把握していれば、ということだった。コーチが厳しく話すべきだったと思うね。『ジェームズ、いいか。第4クォーターまでは君のものだ。でも最後の5分間、ボールはクリスに預けるんだ』と言ってほしかったね」

 ハーデンとポールはいずれもボールハンドラーであり、プレーメークだけでなく自らフィニッシュまで持ち込める選手だ。翌2019年のプレーオフのカンファレンス・セミファイナルで、ウォリアーズに2勝4敗で敗退後、ポールとハーデンは口論になったと報じられ、結局ポールはオクラホマシティ・サンダーへトレードされてしまった。

 スポーツの世界で“タラ・レバ”は本来禁物なのだが、もしあの2人が上手くボールをシェアできていたら、今でもロケッツでチームメイトとして共存し、チャンピオンリングを手にしていたかもしれない。

 もっとも、ポールは「あの時、そういった会話がされているべきだった」と悔やみつつも、こう話していた。
 
「最初の年、僕を最もイラつかせたのは健康体じゃなかったこと。ヒューストンにいた期間は、なんだか(意識が)ぼんやりしているように感じる。あの時はいろんなことが起きていたからね。でも僕らはいいチームだった。本当にいいチームだったんだ。

 そしてジェームズについては今でもこう思う。彼のように点を取れるヤツはほかに誰もいないということ。クレイジーなことさ……僕がトレードされなければ、あんな経験をしなければと思うし、ああいう会話ができていれば……とも思う。でも僕が健康体を維持できなかったことが最も悔やまれるね」

 2018年にウエストで覇権争いをしていた主要メンバーで、今もロケッツに残っているのはゴードンのみ。優勝へと近づいたチームだったが、最終的にウォリアーズの前に敗北を喫し、解体を余儀なくされた。

 昨季途中にトレードでバックスへ加わったタッカーは、念願のチャンピオンとなり、サンズのポールは自身初のファイナルへと足を踏み入れた。ハーデンはデュラント、カイリー・アービングと新たにビッグ3を形成し、今季は開幕からフルシーズンをネッツでプレーする。

 もし来年6月のNBAファイナルで、ポールが所属するサンズとハーデンがプレーするネッツが激突となれば、ドラマティックなシリーズとなるに違いない。そしてその可能性は決してゼロではないだけに、両者の新たな道のりに注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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