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NBA

首脳陣とエースの間に亀裂!? シアカムが悩める胸中を吐露「『僕のチームだ』と感じたことは一度もない」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.09.17

 さらに、在籍6シーズン目でチーム最古参となったパスカル・シアカムにはトレードの噂が付きまとっており、その去就に注目が集まっているというのが現状だ。

 シアカムの代理人を務めるトッド・ラマザーは8月下旬、『SiriusXM NBA Radio』へ出演した際に「彼はトロントを愛している。それにチャンピオンシップも勝ち取ったんだ。我々にとって、そう(チームを出たいと)思うことはないし、その思いは変わらない」とトレードの噂を一蹴。9月16日にはシアカム本人が米紙『The New York Times』へ口を開いた。

「僕が(トレードの噂に)苦しんでいることは確かだ。自分のことについてネガティブな話も飛び交っているからね。僕からすればおかしな話さ。僕は本来、本当にポジティブな人間なんだから」

 2016年のドラフト全体27位でラプターズに入団したカメルーン出身のフォワードは、当初はGリーグでも経験を積みながら、着実に主力へと成長を遂げてきた。19年にはMIP(最優秀躍進選手賞)に選ばれ、プロ入り3年でNBAチャンピオンにもなった。

 キャリア5年目となった昨季は平均21.4点、7.2リバウンドをマーク。一昨季(22.9点、7.3リバウンド)からわずかにダウンしたものの、アシスト(4.5本)とスティール(1.14本)はいずれも自己最高を残している。
 
 開幕まで約1か月に迫ったタイミングでインタビューに応じたシアカム。この男を最も悩ませているのは、どうやらチームとのコミュニケーションの部分のようだ。

 シアカムは「僕が感じているのは『我々は君とMAX額の契約を結んだ。だが君はそれに値するのか?』と思われている感じなんだ。僕が苦しんでいるのはそこだと思う。(これまでは)カイルがポイントガードとしていて、僕からすればラプターズ史上最高の選手と常にいたんだ。正直なところ、『ここは僕のチームだ』と感じたことは一度もない」とこぼしている。

 今季のラプターズでキャリア10年以上の選手はドラギッチのみ。このベテランの去就も微妙なため、シアカムやヴァンブリートら中堅組がチームを引っ張っていかなければならない。

 首脳陣としては、トレーニングキャンプで選手たちを観察し、誰をチームの舵取り役に任命するか決める算段なのかもしれないが、シアカムがチームの中核なのは紛れもない事実。互いに意思の疎通を図って、すっきりとした状態で開幕を迎えたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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