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NBA

MVP受賞に自信を覗かせるエンビード。もし戴冠を逃せば「何をすべきかわからなくなる」と皮肉も<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.04.04

 ここまで平均11.6リバウンド、4.2アシスト、1.1スティール、1.5ブロックという立派なスタッツに加え、得点王争いにも参戦しているエンビード。この試合を終えてリーグ2位の平均30.2点をマークし、トップのレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ/同30.3点)、3位のアデトクンボ(同30.1点)と僅差でひしめき合っている。

 そしてエンビード本人も、今季のMVP受賞に自信を覗かせているようだ。

「実現したら最高だ。もしそうならなければ、俺は何をすべきかわからなくなるね。彼ら(投票者たち)が俺を嫌っていると感じるだろう。フィリーにいる俺は、ほかの連中とは違うのかと思ってしまうだろうな」

 ヒューストン・ロケッツ在籍時の2018年にMVPを獲得したハーデンは、エンビードが攻守両面でゲームを支配し続けていることに舌を巻いていた。

「俺は毎晩、彼の凄さを目の当たりにしている。確かに、彼のオフェンス面における今夜の数字が際立っているのは一目瞭然だ。だがディフェンス面でも凄く効果的だった。ブロックショットも決めていたし、ペイントエリアにいることで相手のショットを困難にさせていたことも、勝利した上でカギになっていたんだ」
 
 今季のエンビードは40得点、10リバウンド以上を11度達成し、その試合でチームは9勝2敗と大きく勝ち越している。『ESPN Stats & Info』によると、NBAとABAが統合した1976-77シーズン以降でこの回数を上回ったのはラッセル・ウエストブルック(レイカーズ/2016-17シーズン)とモーゼス・マローン(元ロケッツほか/1981-82シーズン)の12度のみ。両選手はそのシーズンにMVPを獲得しており、エンビードが支配的な活躍で“MVP級”のシーズンを送っていることは明らかだ。

「チームメイトたちが俺のことをもの凄く信頼してパスをし続けてくれるし、信じ続けてくれている」と語った大黒柱の言葉どおり、今季のシクサーズは名実ともにチームの顔となったエンビードを中心に団結しており、昨季までよりも一体感を増している。

 エンビードがMVPを獲得できると断言はできないが、それでもカメルーン出身の万能型ビッグマンにとって今季がキャリア最高のシーズンとなっているのは間違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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