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NBA

欧州のバスケ育成はアメリカより上?ヨキッチやドンチッチをその理由に挙げるメディアにデュラントが反論<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.05.16

 つい先日も、昨季短期間ながらブルックリン・ネッツで共闘したマイク・ジェームズを応援すべく、ユーロリーグのプレーオフを現地で観戦。ジェームズが所属するモナコのホームゲームだけでなく、ギリシャまで足を伸ばし、敵方のオリンピアコスのファンから強烈なブーイングを浴びながら、決定戦となったゲーム5も見届けた。そんな観察眼をもつ彼の言葉だけに、説得力がある。

 さらに、デュラントだけでなく、自らが欧州でバスケ教育を受けているフランス代表のスターティングガード、エバン・フォーニエ(ニューヨーク・ニックス)もこの議論に参戦。

 彼は「ヨーロッパではより基礎的な部分にフォーカスをした育成を受ける」という指摘については同意しつつも、「北米には、僕たちよりはるかに優っている部分がまだまだ山のようにあるよ。両方からベストの部分を引き出せたら、完璧な世界になるんだろうね」とコメントしている。
 
 ギリシャのパシリス・スパヌーリス(元ヒューストン・ロケッツ)やスペインのファン・カルロス・ナバーロ(元メンフィス・グリズリーズ)といった、欧州でスーパースターの頂点に立っていた選手がNBAでは大成できなかった例もあるため、単に欧州での育成経験がアメリカで成功できる理由にならないのは明らか。所属したチームや指導者、それに体格なども重要な要素となる。

 そしてなにより、デュラントも指摘しているように、ヨキッチもドンチッチも“欧州出身プレーヤー”という枠でくくることのできない、稀にみる逸材だ。

 ヨキッチの場合は、祖国のセルビアでプレーしていた時代はユーロリーグに参戦するわけでもなく、有名選手でもなかった。しかしプロとしての成長期にアメリカに渡ると、ナゲッツの環境が合っていたこともあり飛躍的に進化。

 一方のドンチッチは、13歳で入団したレアル・マドリーで頭角を現した頃から、欧州バスケットボール史でもめったに例がないほどの天才プレーヤーだと言われていた。“見た目はややぽっちゃりで愛らしい顔つきをしているのに、プレーは容赦ない”というギャップも、彼の“キラー”っぷりをますます際立たせていた。
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