彼はどこでアーリーショットを打っているか、どんなタイミングでアグレッシブになるのか、いつパスをしているのかなど。それ以外にも、カリーがいかにショットクロックを活用しているかといった「自分がNBAの試合を見る時に注目するようなこと」を、彼はGリーグで意識的に取り組んだ。
Gリーグで11試合に出場し、平均22.4点、5.3リバウンド、3.5アシストと大活躍を見せたプールは、NBA復帰初戦の26得点を皮切りに10試合連続で2桁得点。課題とされていた安定感の欠如が改善されたことをチームメイトやコーチ陣に示してみせた。
Gリーグに送られる選手は、「強豪チームでうまくプレーできなかったから下部リーグに降格させられた」と失意の気持ちを抱くもの。ターナーとイグダーラも、プールが抱いた思いに大きく賛同していたが、2年目、「これを成長の機会だととらえよう」と自分の中でマインドチェンジできたことが、自信と能力を身につけるという「Gリーグ体験の成功例」に導いた。
そして願い通りにNBAに復帰した彼は、いまや優勝候補チームの不可欠な戦力だ。彼がスキルをきっちり磨いたことは、今季のフリースロー成功率でリーグ首位と数字でも証明されている。
ナゲッツとのプレーオフ1回戦の第3戦では、プールは貴重な体験をしたそうだ。
最終クォーターの残り時間5分半、104-102とウォリアーズがわずかなリードで迎えた終盤の山場、プールはコートに送り出されてカリー、クレイ・トンプソンらとともにクローザーの役目を任された。
プールはさっそくアンドリュー・ウィギンズの3ポイントをアシスト。自らも4点をあげ、7得点に絡んで118-113 での僅差の勝利に貢献した。
「あの競った場面でコートに立ったことで、攻守両面でいかに彼らが集中していて、あらゆることが重要なのかがよくわかった。彼らがビッグショットを決め、ビッグプレーをし、レーザーのように研ぎ澄まされた集中力でプレーするのを間近で見て、ともに体験できたのは、本当に特別なことだった」
加えて、カリーのルーティンを手本に研鑽してきた彼は、自分らしくプレーすることの手応えも得た。
「彼ら(チームメイト)は僕に自分らしくプレーさせてくれる。みんなに溶け込んでプレーできた。今夜は間違いなく特別な瞬間だった」
そしてこれこそが、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)の狙いであり、「経験豊富なベテランと、(プレーオフが)どんなものかを体験中の新入りが混在している、我々は面白いミックスチームなんだ」と、現在のウォリアーズを描写している。
プールはいまや、トンプソンとカリーが形成する“スプラッシュ・ブラザーズ”の三男と言われ、今季のMIP(最も成長した選手)候補に推す声も挙がっていた。
「チャンスは絶対に来る。でもそれがいつ来るかはわからない。だからいつ来てもいいように、常に最高の準備ができている状態にしておくこと。どんな状況にも対応できるようにね」
それが彼のモットーだそうだ。まだ22歳と伸びしろ十分のプール。ファイナルでの活躍も期待できそうだ。
文●小川由紀子
Gリーグで11試合に出場し、平均22.4点、5.3リバウンド、3.5アシストと大活躍を見せたプールは、NBA復帰初戦の26得点を皮切りに10試合連続で2桁得点。課題とされていた安定感の欠如が改善されたことをチームメイトやコーチ陣に示してみせた。
Gリーグに送られる選手は、「強豪チームでうまくプレーできなかったから下部リーグに降格させられた」と失意の気持ちを抱くもの。ターナーとイグダーラも、プールが抱いた思いに大きく賛同していたが、2年目、「これを成長の機会だととらえよう」と自分の中でマインドチェンジできたことが、自信と能力を身につけるという「Gリーグ体験の成功例」に導いた。
そして願い通りにNBAに復帰した彼は、いまや優勝候補チームの不可欠な戦力だ。彼がスキルをきっちり磨いたことは、今季のフリースロー成功率でリーグ首位と数字でも証明されている。
ナゲッツとのプレーオフ1回戦の第3戦では、プールは貴重な体験をしたそうだ。
最終クォーターの残り時間5分半、104-102とウォリアーズがわずかなリードで迎えた終盤の山場、プールはコートに送り出されてカリー、クレイ・トンプソンらとともにクローザーの役目を任された。
プールはさっそくアンドリュー・ウィギンズの3ポイントをアシスト。自らも4点をあげ、7得点に絡んで118-113 での僅差の勝利に貢献した。
「あの競った場面でコートに立ったことで、攻守両面でいかに彼らが集中していて、あらゆることが重要なのかがよくわかった。彼らがビッグショットを決め、ビッグプレーをし、レーザーのように研ぎ澄まされた集中力でプレーするのを間近で見て、ともに体験できたのは、本当に特別なことだった」
加えて、カリーのルーティンを手本に研鑽してきた彼は、自分らしくプレーすることの手応えも得た。
「彼ら(チームメイト)は僕に自分らしくプレーさせてくれる。みんなに溶け込んでプレーできた。今夜は間違いなく特別な瞬間だった」
そしてこれこそが、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)の狙いであり、「経験豊富なベテランと、(プレーオフが)どんなものかを体験中の新入りが混在している、我々は面白いミックスチームなんだ」と、現在のウォリアーズを描写している。
プールはいまや、トンプソンとカリーが形成する“スプラッシュ・ブラザーズ”の三男と言われ、今季のMIP(最も成長した選手)候補に推す声も挙がっていた。
「チャンスは絶対に来る。でもそれがいつ来るかはわからない。だからいつ来てもいいように、常に最高の準備ができている状態にしておくこと。どんな状況にも対応できるようにね」
それが彼のモットーだそうだ。まだ22歳と伸びしろ十分のプール。ファイナルでの活躍も期待できそうだ。
文●小川由紀子
関連記事
- 「ドレイモンドは一線を超えた」ヒート第6戦の勝因はグリーンの“うっかり発言”?ハズレムが怒り「実にくだらない」<DUNKSHOOT>
- 「去年の今頃はランニングを始めたところ」苦難を乗り越えファイナルに返り咲いたトンプソンが喜びを爆発「本当に夢のようだ」<DUNKSHOOT>
- 初代カンファレンス決勝MVPに輝いたカリーをマジックが祝福「史上最高のシューター、おめでとう」<DUNKSHOOT>
- 「俺たちは信頼しているし、彼らも信頼してくれている」ウォリアーズの万能戦士が語るコーチ陣との“深い絆”<DUNKSHOOT>
- 今季惨敗のレイカーズにOBのマジックが提言。ウエストブルックのトレード案には「何を見返りに得るんだ?」と慎重姿勢<DUNKSHOOT>