2003年6月生まれで、19歳になったばかりのヨビッチは、父親がバスケットボール選手としてプレーしていたイングランドのレスターで生を受けた。
9歳でセルビアに戻った彼がプレーしていた競技は、同国で同じく人気の高い水球。バスケに転向したのは12歳頃で、ルカ・ドンチッチが13歳ですでに欧州にその名を轟かせていたことを思うと「遅咲き」だと言える。それでも、セルビアの小クラブKKサヴァでプレーを始めると、すぐに頭角を現わした。
1試合に3ポイントシュートを11本も沈めた試合もあったが、本人いわく「自分は痩せていて、密集地で揉み合いになるのが嫌だったから、離れたところから打った」とケロリと話すような少年だった。
プレースタイルもそんな飄々さを象徴している。長い腕でしなやかにフェイントをかけ、ミスマッチを生かしたパスで味方の得点を生み出したかと思うと、打点の高いジャンプシュートで次々とネットを揺らす。
15歳でメガ・バスケットに入団すると、当時のユースチームのコーチはすぐに彼のポテンシャルを察知し、先発メンバーに抜擢。17歳でアドリアリーグにデビューした時も、新人とは思えない落ち着きで水を得た魚のごとくコートを駆け回った。
識者のなかでは身体能力を疑問視する声もあるが、このサイズでこれだけ動ける敏捷性は特筆もの。まだ“素材”といった粗さはあるが、プレーに華があって、とにかく見ていて楽しい。
「よく走って、とにかくシュートを打つ、NBAのプレースタイルが好きなんだ。僕は大きいし、走れるし、シュートも打てる。すぐにでもNBAのレベルでプレーできると思っている」と、本人も自信を覗かせている。
1週間ほど前には祖国のヒーロー、ヨキッチが所属するデンバー・ナゲッツに招かれてワークアウトを行なったが、そこでのシューティングやボールハンドリングの様子を収めたショートビデオは、ソーシャルメディアを賑わせている。
「いろいろなものを少しずつ見せた感じだった。ショット、パス、ディフェンス、ローポストでのプレー。僕は、コーチが自分に求めているプレーをする準備ができている。コーチがスポットアップのシューターであることを望むならそうなれるし、トランジションでプレーしてほしいと言われればそうする。5つのポジションをすべて守れと言うのなら、それもトライする」。ワークアウトの後、ヨビッチはそう意気込みを語っていた。
各メディアによるドラフトの順位予想は、1巡目の20~25位といったところ。ミルウォーキー・バックスやサンアントニオ・スパーズなどが候補に挙がるなか、もちろん「ナゲッツに入団してヨキッチ&ヨビッチコンビ結成」を予想するものもある。
「ヨーロッパとアメリカでは、ゲームがまったく違う。難しいとは思うけれど、好きなら、そして情熱があるなら、きっと大丈夫だ」。そんなコメントからも“大物感”が漂うヨビッチ。将来オールスター級の選手になりそうなポテンシャルを感じさせる選手だ。
文●小川由紀子
9歳でセルビアに戻った彼がプレーしていた競技は、同国で同じく人気の高い水球。バスケに転向したのは12歳頃で、ルカ・ドンチッチが13歳ですでに欧州にその名を轟かせていたことを思うと「遅咲き」だと言える。それでも、セルビアの小クラブKKサヴァでプレーを始めると、すぐに頭角を現わした。
1試合に3ポイントシュートを11本も沈めた試合もあったが、本人いわく「自分は痩せていて、密集地で揉み合いになるのが嫌だったから、離れたところから打った」とケロリと話すような少年だった。
プレースタイルもそんな飄々さを象徴している。長い腕でしなやかにフェイントをかけ、ミスマッチを生かしたパスで味方の得点を生み出したかと思うと、打点の高いジャンプシュートで次々とネットを揺らす。
15歳でメガ・バスケットに入団すると、当時のユースチームのコーチはすぐに彼のポテンシャルを察知し、先発メンバーに抜擢。17歳でアドリアリーグにデビューした時も、新人とは思えない落ち着きで水を得た魚のごとくコートを駆け回った。
識者のなかでは身体能力を疑問視する声もあるが、このサイズでこれだけ動ける敏捷性は特筆もの。まだ“素材”といった粗さはあるが、プレーに華があって、とにかく見ていて楽しい。
「よく走って、とにかくシュートを打つ、NBAのプレースタイルが好きなんだ。僕は大きいし、走れるし、シュートも打てる。すぐにでもNBAのレベルでプレーできると思っている」と、本人も自信を覗かせている。
1週間ほど前には祖国のヒーロー、ヨキッチが所属するデンバー・ナゲッツに招かれてワークアウトを行なったが、そこでのシューティングやボールハンドリングの様子を収めたショートビデオは、ソーシャルメディアを賑わせている。
「いろいろなものを少しずつ見せた感じだった。ショット、パス、ディフェンス、ローポストでのプレー。僕は、コーチが自分に求めているプレーをする準備ができている。コーチがスポットアップのシューターであることを望むならそうなれるし、トランジションでプレーしてほしいと言われればそうする。5つのポジションをすべて守れと言うのなら、それもトライする」。ワークアウトの後、ヨビッチはそう意気込みを語っていた。
各メディアによるドラフトの順位予想は、1巡目の20~25位といったところ。ミルウォーキー・バックスやサンアントニオ・スパーズなどが候補に挙がるなか、もちろん「ナゲッツに入団してヨキッチ&ヨビッチコンビ結成」を予想するものもある。
「ヨーロッパとアメリカでは、ゲームがまったく違う。難しいとは思うけれど、好きなら、そして情熱があるなら、きっと大丈夫だ」。そんなコメントからも“大物感”が漂うヨビッチ。将来オールスター級の選手になりそうなポテンシャルを感じさせる選手だ。
文●小川由紀子