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NBA

「今でも競い合うことができて最高」元チームメイトでありライバル、指揮官としてもしのぎを削るキッドとナッシュが互いにエール<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.10.28

 一方のナッシュも2度のシーズンMVPを獲得した名司令塔。抜群の視野とパスセンスを武器に歴代4位の1万335アシストを残す傍ら、エリートシューターの証でもある「50-40-90」(フィールドゴール成功率50%、3ポイント成功率40%、フリースロー成功率90%以上)を歴代最多の4シーズンで記録した正確無比なシュート力にも定評があった。

 ネッツの指揮官として3年目を迎えたナッシュについて、キッドは“先輩”として試合前にこう語っていた。

「彼はリーグでも有能なコーチの1人。彼のバスケットボールIQはとてつもないんだ。だから彼は数多くの責任をなすりつけられることもある。だが彼は若いコーチで、時間が必要なんだ」

 今夏にデュラントがトレード要求をした際、ナッシュHCとショーン・マークスGM(ゼネラルマネージャー)の解任を求めたと報じられたが、キッドはこれまでの経験を踏まえて助言を送った。
 
「もちろん、誰だってそうなったら楽しくはない。彼らも人間であり、不運なこともある。だがそれを乗り越えなければいけない。そこから学んでいくんだ。これはビジネスであって、(NBAでは)起こりうること。彼らはまだ若いし、乗り越えなきゃいけない。これは皆が通る道だからね」

 ナッシュにとって、キッドはカレッジ時代に対戦し、キャリア初期には同じチーム(フェニックス・サンズ)で共闘した仲でもある。選手・指揮官として先輩にあたるキッドについて、ナッシュはこう話していた。

「フェニックスではチームメイトで、キャリアの大部分では対戦相手としてマッチアップしてきた。私たちにはたくさんの歴史があり、最高の関係を築いてきた。彼の成功は私にとって嬉しいこと。それに今でも彼とこうして競い合うことができて最高さ」

 マブズとネッツが次回対戦するのは11月7日。キッドにとってはホームで、ナッシュにとってもマブズはダーク・ノビツキーとのデュオでオールスターへ成長した古巣だけに、次戦も感慨深い試合となりそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
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