NBA歴代６位の通算３万1560得点を積み上げてきたレジェンドは、213㎝・111㎏というセンター級のサイズを持ちながら、柔らかいシュートタッチと磨かれたフットワーク、ボールハンドリングスキルを兼備。ポストプレーやドライブだけでなく、中長距離ジャンパー、３ポイント、フリースローも難なく決められるシュート力でエーススコアラーを務め上げ、バスケットボール界における７フッターの概念を覆した。

　キャリア通算で平均20.7点、7.5リバウンド、2.4アシストをマークし、オールスターに14回、オールNBAチームには12回、さらには75周年記念チームにも選出。2006年にマーベリックスをフランチャイズ史上初のNBAファイナルへ導くと、2006－07シーズンにはチームが球団最高成績の67勝15敗（勝率81.7％）を記録する原動力となり、シーズンMVPを受賞する。そして2011年にはマーベリックスを初優勝へ導き、文句なしでファイナルMVPに輝いた。
  　そんなノビツキーに対し、マーベリックスが掲げた言葉は“Loyalty never fades away” （忠誠心が消え去ることは決してない）。この言葉を見たノビツキーが「フェイダウェイと忠誠心。このふたつが組み合わさったようなものだね。面白いのは、21年間が21文字でまとまっていること」と話したように、自身のシグネチャームーブ、そして21シーズンにわたりチーム一筋で戦い抜いたレジェンドのキャリアを象徴するふたつの要素を織り交ぜ、それを21文字に上手くまとめあげたと言えるだろう。

　このワンレッグ・フェイダウェイジャンパーは、コビー・ブライアント（元ロサンゼルス・レイカーズ）やケビン・デュラント（ブルックリン・ネッツ）といったリーグ史上最高級のスコアラーたちがレパートリーに加えたほど、効果的なスキルとなっている。

　また、マイアミ・ヒートの一員として2011年のファイナルでノビツキー擁するマーベリックスと対決し、のちに自らもワンレッグ・フェイダウェイジャンパーを使うようになったレブロンは、ノビツキーの彫像についてこう話す。