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NBA

故障者続出でプレーオフ圏外に沈むペリカンズ。ザイオンは救世主になれるのか?

出野哲也

2019.12.02

新加入のイングラムは平均25.9点と見事な活躍を披露。しかしチームは守備に大きな問題を抱えており、この部分が改善されない限り、上位進出は厳しい。(C)Getty Images

新加入のイングラムは平均25.9点と見事な活躍を披露。しかしチームは守備に大きな問題を抱えており、この部分が改善されない限り、上位進出は厳しい。(C)Getty Images

 戦列復帰後も、ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)や昨季のカワイ・レナード(トロント・ラプターズ、現クリッパーズ)のように、連戦の2試合目は休養させるといった大事をとった起用法になるのではと考えられる。

 そうなると、ザイオンが加わってもペリカンズが急上昇する確率は高くはなさそうだ。そもそも低迷の原因は故障者だけでなく、ディフェンシブ・レーティングでリーグワースト3位の守備力にもあって、これは簡単には改善できない。

 さらに、11月末の時点ではカンファレンス8位のフェニックス・サンズと2.5ゲーム差とプレーオフ圏内から離れていないように思えるかもしれないが、ポートランド・トレイルブレイザーズ、サンアントニオ・スパーズなど地力のあるチームが9位以下にいるため、彼らの上を行かなければならない。
 
 またスケジュール的にも、ザイオンの復帰予定日(12月16日)時点には、すでにシーズンの3分の1に当たる27試合が消化されている計算。現在の勝率のまま推移するとしたら9勝18敗で、残り55試合で勝率5割に戻すには32勝23敗という成績が必要になる。これは戦力がフルに揃っていても容易ではないペースだ。

 こうした状況を考えると、ペリカンズのプレーオフへの見通しは明るいとは言い難い。もっとも、初めから上手く行けばプレーオフに出られるかも……くらいに思われていたのも事実。あくまで今季は再建計画の1年目であって、肝心なのはザイオンが復帰後にイングラム、ボールらとともに、どれだけチームの成熟度を高められるか。勝敗よりも、注目すべきはその点にあると言えよう。

文●出野哲也
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