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NBA

ジョン・ストックトン――弱小校の無名選手からNBA最高峰の司令塔へ成長した努力の男【レジェンド列伝・前編】<DUNKSHOOT>

出野哲也

2023.02.22

 NBAでも、ジャズ以外にストックトンを高く評価していたチームがあった。特に熱心だったのは1周目19位の指名権を持っていたポートランド・トレイルブレイザーズのステュ・インマンGMで、ジャズがドラフト指名した直後にトレードを申し込んできた。同じドラフトでマイケル・ジョーダンを指名したシカゴ・ブルズのロッド・ソーンGMもトレードを目論んだが、ジャズのフランク・レイデンGMは手放さなかった。

「トレードの申し込みが殺到すること自体、いい選手の証だからね。もっとも、その時はジョー・モンタナ(NFLの名クォーターバック)を手に入れたとは思わなかったが」とレイデンは語る。

「彼の精神力と集中力がどれほど強靭か、誰も気づいていなかったんだ」
 ジョーダンやアキーム・オラジュワンらの同期生がプロ入り直後から華々しい活躍を演じたのに対し、ストックトンは最初の3年間はバックアップだった。ジャズにはオールスター・ガードのリッキー・グリーンがいたからだ。しかし、86-87シーズンには控えでありながらリーグ8位の8.2アシストを記録。

 完璧にゲームをコントロールし、正確なパスを送り出し、自分がノーマークなら確実にシュートを決めることもできる。もはやこれだけの選手をベンチに置いておく理由はなかった。(後編に続く)

文●出野哲也
※『ダンクシュート』2008年5月号原稿に加筆・修正
 
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