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NBA

「完全に私のミスだ」。MVP投票で“痛恨のミス”を犯した識者がヨキッチに謝罪「彼は偉大な選手の1人」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.05.12

 テイタムは計280ポイントで4位、ギルジャス・アレキサンダーは計46ポイントで5位、ミッチェルは計30ポイントで6位に入っており、ジャクソンが投票した5選手のうち、ミッチェルを除く4人がオールNBA1stチーム(ミッチェルも2ndチーム)に選ばれたことから、彼らが高く評価されるのは決して的外れなことではない。

 ただし、MVP投票の場合、票を入れる5選手のポジションは指定されておらず、純粋に今季の最優秀選手にふさわしい順に投票することになっている。それを勘違いしていたジャクソンは、ヨキッチへ投票しなかったことを謝罪した。

「デンバー・ナゲッツに申し訳ない。ニコラ・ヨキッチにも申し訳ないことをした。彼は歴史上で見ても偉大な選手の1人であり、歴代トップ10のセンターに入る。私のミスだったことを認めるよ。もし私の投票を取り上げたいなら大歓迎だ。私がミスしてしまったのだから」

 謝罪とともにヨキッチを称えたジャクソン。もし彼がヨキッチへ1票入れていたとしてもMVPの結果が変わったわけではないが、投票した有識者の1人として、公の場でミスを認めた。

 その上でジャクソンは、「私はそれでもMVPとしてジョエル・エンビードへ(1位票を)投じていただろう。ヤニスとジョーカー(ヨキッチの愛称)は2位と3位だ。彼らにはその価値が十分ある。彼は申し分ないシーズンを送り、歴史を作り続けている。私は自らのミスを認め、この場で謝罪する」と語っている。
 
 3年連続MVPの偉業は逃したものの、ヨキッチは今季も平均24.5点、11.8リバウンド、9.8アシストに、フィールドゴール成功率63.2%、3ポイント成功率38.3%、フリースロー成功率82.2%とハイレベルなスタッツを残し、ナゲッツをウエスタン・カンファレンス首位の53勝29敗(勝率64.6%)に牽引。

 5年連続でプレーオフに進出したチームは、ファーストラウンドでミネソタ・ティンバーウルブズを4勝1敗で下し、カンファレンス・セミファイナルでもフェニックス・サンズを4勝2敗で撃破。2020年以来、3年ぶりのカンファレンス決勝進出を飾った。

 ヨキッチはサンズとのシリーズで平均34.5点、13.2リバウンド、10.3アシストの平均トリプルダブルを達成。これはカンファレンス・セミファイナルに出場している全8チームの選手の中でいずれもトップの成績となっている(現地11日時点)。

 ヨキッチ自身は、個人タイトルよりも、初のNBAファイナル進出、そして悲願の初優勝に向けて集中しているに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)
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