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NBA

キングス指揮官がユーロリーグMVP候補、ヴェゼンコフを視察!「シーズンを終えてから話をしたい」と獲得に前向き<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.05.13

 ユース時代から「欧州出身者でベストプレーヤーの1人」と評判で、アメリカのカレッジからの誘いもあったヴェゼンコフだが、プロデビューしたギリシャのアリスとその後のバルセロナでは、それほど目立った活躍は見せられなかった。

 しかし、昨季から飛躍的にパフォーマンスが向上すると、キングスが保有権を獲得した直後のユーロバスケット(欧州選手権)では大会トップの平均12.2リバウンド、同3位の26.8点と大躍進。シーズン開幕後も好調を維持し、ユーロリーグでも今季のMVP最有力候補になっている。

 そんな彼のパフォーマンスを現地で見ようと、2月のオールスター期間中にはアシスタントコーチのジェイ・トリアーノ、3月には選手の人事部門の副部長フィル・ジャバーもギリシャに足を運び、彼の試合を生観戦した。

 キングスがプレーオフで敗退したあとのシーズン締めくくりの会見の席では、最優秀エグゼクティブ賞に輝いたモンテ・マクネアーGM(ゼネラルマネージャー)もヴェゼンコフについて聞かれて、「今は、彼と彼のチームを見て楽しんでいる」とし、以下のように語った。

「オリンピアコスは素晴らしいシーズンを送っていて、彼らはファンタスティックなクラブだ。彼のことも少しは知ることができたので、これから数週間、オフシーズンの様子を見ながら、夏の終わりには(獲得を)決断することになるだろう」
 
 今季、ディアロン・フォックスとドマンタス・サボニスを軸に躍進したキングスと、206cmのサイズと万能性を持つヴェゼンコフとの相性は悪くなさそうだ。今季限りで契約切れとなるフォワードのトレイ・ライルズと比較してみると、スピードや推進力はライルズの方が優るが、インサイドでのディフェンスや3ポイントを含めたシュート力はヴェゼンコフが上回る。

 ややぽっちゃり気味ヴェゼンコフではあるが、無駄な動きが少なく、身のこなしは悪くない。ポジショニングやシュートなどからも、独特のバスケセンスを感じるタイプの選手だ。

 ファンとしてもひとまず、キングスのスタッフ陣の言葉通り、ユーロリーグのファイナル4での戦いぶりを見たいところ。オリンピアコスとの契約には、NBA行きの際には破棄できる条項がついているとのことだが、ヴェゼンコフ自身、波に乗っている現チームでのキャリアを選択する可能性も十分にある。

 リトアニアのバスケタウン、カウナスが舞台となるファイナル4は、5月19日にセミファイナル(オリンピアコス対モナコ/バロセロナ対レアル・マドリー)、21日にファイナルが行なわれる。

文●小川由紀子
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