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NBA

デュラント、ウォール、そして八村――。様々なタイプの選手を指導してきたブルックスHCのブレないコーチング哲学とは?

杉浦大介

2019.12.13

ブルックスは選手との対話を重視する。八村は良い指導者に巡り合ったと言えるだろう。(C)Getty Images

ブルックスは選手との対話を重視する。八村は良い指導者に巡り合ったと言えるだろう。(C)Getty Images

「これまで多くの凄い選手とプレーしてきたが、そういう選手たちに共通しているのはみんなこのゲームをリスペクトしていたということ。若い選手にもそれを理解してほしい。そういった意識を植え付けるのが私の仕事だ」

“リスペクト”を重視するブルックスの姿勢にブレはなく、それは2016年4月にウィザーズのHCに就任して以降も続いている。就任直後、2か月間をかけてジョン・ウォール、ケリー・ウーブレイJr.、マーチン・ゴータット、マーキーフ・モリスといったクセの強いメンバーを訪ね、対話の時間を持ったという。そんな努力の甲斐あって、ウィザーズでも1年目にいきなり49勝。ウォールが故障離脱した昨季は低迷したが、それでも八村は良いチームに入り、良い指導者に巡り合ったと言えるのではないだろうか。

「互いにリスペクトし合わなければいけない。選手同士だけでなく、選手とスタッフも同様だ。ファンにもそれをわかってほしいんだ」
 
 そんなポリシーを持って長年コートサイドに立ち続けるブルックスは、アメリカでもまだ“名コーチ”と評価されているわけではない。ただ、存在感は徐々に高まっており、ブレイク寸前といっても大げさではない。この知将に率いられたウィザーズが、リーグ全体からのリスペクトを得る日もそう遠くはないだろう。

■PROFILE
スコット・ブルックス:1965年7月31日、カリフォルニア州フレンチキャンプ生まれ。テキサス・クリスチャン大、サンホアキン・デルタ・カレッジを経て、87年にカリフォルニア大アーバイン校を卒業。同年にCBAのアルバニー・パトルーンズに入団し、そこでの活躍が認められ、1988年にシクサーズと契約した。その後、ウルブズ、ロケッツ、マブズ、ニックス、キャブズを渡り歩き、1998年にNBAを引退。キャリア通算成績は680試合出場、平均4.9点、2.4アシスト。引退後はナゲッツ(2003 ~ 06)を皮切りに、キングス(2006-07)、サンダー(2007 ~ 08)でアシスタントコーチを歴任。2008年11月にサンダーでHCに昇格し、7シーズン指揮を執った。2016年4月より現職。


文●杉浦大介

※『ダンクシュート2020年1月号』より加筆・修正。
 
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