専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

2009年のMVPはレブロンではなくウェイド?「あの年のMVPは俺」と本人も回想した一方「個人賞には何の意味もない」と“達観”<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.09.25

 ウェイドとドラフト同期のレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)は、そのシーズンに平均28.4点、7.6リバウンド、7.2アシスト、1.7スティール、1.1ブロックというモンスタースタッツを残し、クリーブランド・キャバリアーズをリーグベストの66勝16敗(勝率80.5%)へ導いた。

 そのシーズンのMVP投票では、レブロンが1位票109を含む計1172ポイントで初選出。ウエスタン・カンファレンス首位の65勝17敗(勝率79.3%)で終えたレイカーズのコビー・ブライアントが計698ポイントで2位に入り、ウェイドは計680ポイントで3位に終わっていた。

 また、そのシーズンのウェイドは最優秀守備選手賞獲得も視野に入れていた。だが、結果はオーランド・マジックのドワイト・ハワードが計542ポイントでトップに立ち、続く2位はレブロン(計148ポイント)。ウェイドはここでも3位の計90ポイントにとどまった。

 その後、ウェイドはヒートでレブロン、クリス・ボッシュ(元トロント・ラプターズほか)と“スリーキングス”を形成し、2011~14年にかけて4シーズン連続でNBAファイナルに進出。2度の優勝を経験した。
 
 ただし、昨年8月末にアンドレ・イグダーラ(FA)とエバン・ターナー(元ボストン・セルティックスほか)がホスト役を務めるポッドキャスト番組『Point Forward』へ出演した際、あのシーズンがターニングポイントになったと明かしていた。

「あの結果が、俺にとって個人賞というのは何の意味もないんだと示してくれた。だから75(周年記念チーム入りしたこと)は、おそらく俺があの時以来、初めて個人として大切に思っていることだろうね」

 NBAで活躍する選手たちにとって、個人として全盛時を迎えて超人的なスタッツを残しても、主要アウォードを獲得できる保証はない。そこには所属するチームの戦績もポイントで、ライバルを蹴落とさなければならないだけに、高いハードルがあるということなのだろう。

 とはいえ、シーズンMVPや最優秀守備選手賞に選ばれたことがなくとも、ウェイドには殿堂入り、そして75周年記念チーム入りするにふさわしい実績があることは間違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

【PHOTO】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号