就任４年目のタロン・ルーHCは、「ヘッドコーチとして、これは私にとって最もタフなチャレンジだ。しかし私がこのタスクに取り組んでいくことは確かだ」と切り出し、４人のスーパースターたちについて次のように語った。

「最も重要なのは、彼らが味方のために犠牲になること。試合の最初や締めくくり、ショット本数に（ボール）タッチ数、誰がピック＆ロールをしていくか、といったことをね。彼らがいかに犠牲になれるか、それがシーズンを通じて最大のチャレンジになるだろう」

　レギュラーシーズンは残り72試合もあるため、この段階でロサンゼルスに誕生した“スーパースター・カルテット”に見切りをつけるのは時期尚早だ。
  　ジョージも「俺たちは犠牲を払っていかないといけない。それは理解している。シンプルなことなんだ。誰もそのことに逆らってはいないし、イライラしているわけじゃない」と話し、こう続ける。

「自分たちの現状もわかっている。ボールは１つなのに、有能な選手が４人もいるんだ。それは俺たちも理解しているし、受け入れてもいる。俺たちは互いのことを高めていきたい。誰かがそのことに不満を抱いているとも思っていない」

　レナードにジョージ、ウエストブルック、そしてハーデンの４人はいずれもオールNBAチームに複数回選ばれた実績を誇るベテランのスーパースターたち。これまでに所属したチームでは一番手としてプレーしてきたとはいえ、デビュー１年目から主軸だったわけではない。彼らは初心を取り戻し、クリッパーズを浮上させることができるだろうか。

文●秋山裕之（フリーライター）