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NBA

「彼は普通のルーキーとは違う」ヒート指揮官やアデバヨも絶賛する“新人王候補の大穴”ハイメ・ハケスJr.<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.12.25

 スポールストラHC(ヘッドコーチ)はそんなハケスJr.の強みについて「どのようにスペースを奪うか、自分が行きたい場所に行くための基礎とフットワークを知っている」と指摘。実際に、フリーでボールを受ける状況を作り出す動きが上手い彼に対し、仲間たちから躊躇なくボールが入るのは、信頼の表われでもある。

 ハケスJr.自身も「チームの仲間たちは、僕が自分らしいプレーができるよう、自信を与えてくれる。チームメイトやコーチから信頼されていると感じてコートに上がれるのは素晴らしいことだ」と充実感を口にしている。

 ハケス家は、祖父母も両親もカレッジプレーヤー、そして妹は現在UCLAでプレーしているというバスケ一家。そんな環境のなか、ハイメは日々、両親や兄妹たちと1オン1で勝負しながら育ってきたという。カリフォルニアの生まれだが、メキシコ出身の父系の国籍を受け継ぎ、メキシコ代表としてすでに2019年のパン・アメリカン大会に出場した経験もある。
 
 ちなみに今夏のワールドカップを32か国中25位で終えたメキシコは、来年7月にプエルトリコで行なわれる五輪最終予選に参戦する(コートジボワール、リトアニア、イタリア、プエルトリコ、バーレーン)。ハケスJr.がこの予選に参加するかはまだ明言していないが、メキシコを代表してプレーすることは「誇り」であると、先日の試合後の会見でもコメントしていた。

 昨シーズンは、プレーインを経てのプレーオフ出場からファイナルまで勝ち上がった底力のあるヒートだが、35歳のケビン・ラブや37歳のカイル・ラウリーなど、主力の高齢化が進んでいるのも事実。ハケスJr.の躍進は、その点でもチームに新たなサイクルをもたらすことが期待できる。

 すでに貫禄すら感じるルーキー、ハイメ・ハケスJr.。今シーズンのヒートにとっての重要なピースだ。

文●小川由紀子

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