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NBA

重鎮ダンカンに迫られた“究極の選択”。「ロビンソン、パーカー、ジノビリの誰をカットする?」の質問にレジェンドの返答は<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.05.27

 これは3人の選手のうち、誰をスターター起用し、控えに回し、そしてロスターからカットするかを選ぶというもの。ジェファーソンが3択として出したのは、1999年と2003年に優勝をともにした“先輩”ロビンソン、1999年を除く4度の優勝(2003、05、07、14年)を分かち合ったトニー・パーカー、マヌ・ジノビリという、いずれも球団のレジェンドでバスケットボール殿堂入りも果たした盟友たちだった。

 そこでダンカンはロビンソンをスタート(先発)、ジノビリをベンチ(控え)にし、「私ならフランスからやって来た子(パーカー)をカットするだろうね」と返答。

 ロビンソンはキャリア最初の6シーズンを共闘したインサイドの相棒。ダンカンの能力を早くから評価したロビンソンは、エース役から2番手に回るべくディフェンスに重点を置いたプレースタイルへスライド。スパーズ初優勝の背景には、2人の両者の良好な関係があった。

 フランス出身のパーカーは、持ち前のスピードとクイックネスを武器に、切れ味鋭いドライブやディレクションチェンジでペイントエリアとミッドレンジから得点を量産。ダンカンとのハイピック&ロールは相手チームを大いに悩ませ、ティアドロップ(フローター)の名手としても知られた。
 
 アルゼンチンの英雄ジノビリは、先発級の実力を持ちながら、キャリア途中からシックスマンに転向。相手守備陣を単独で打開する突破力と豊富なスキルを持ち、NBAへユーロステップを本格的に広めた男と評され、“ジノビリ・ステップ”の異名もつけられた。

 寡黙であまり口数が多くないダンカンだが、ファンやメディアから見られないところではチームメイトたちを笑わすほどのユーモアセンスも持ち合わせており、ジェファーソンもその一面を知っているからこそ、あえてレジェンド3人を並べて“究極の選択”をぶつけたのだろう。

 現在5シーズン連続でプレーオフの舞台から遠ざかっているスパーズは、ウェンバンヤマという今後リーグの顔になれる逸材を手に入れた。ダンカンとは違うタイプの選手ながら、この男を中心とした布陣でプレーオフへ返り咲く日が訪れることを期待したい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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