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NBA

35歳でNBAの優勝指揮官に!セルティックスを頂点に導いたマズーラHCがヒントを得たのは、サッカー界の名門チーム&名将<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.06.20

 もうひとつが、パスを連動させながら、最適なシュートチャンスを生み出す動き。最大限にパスを回すことを主眼とするが、それはただポゼッションを目的にボールを回すことではなく、ボール、そしてオフ・ザ・ボールの選手も含めた“人”が巧みに絡み合って動くことで、最も効果的にシュートを狙えるタイミングやポジションを作り出していく、という考えに基づいたものだ。

 マズーラは実際に、シティの試合の映像を何度かセルティックスの選手たちに見せていたそうだ。

 ルーキーのジョーダン・ウォルシュは、「(シティの)選手の動き方からインスピレーションを得たり、自身のパーソナリティーやメンタリティーを全面に出してプレーすること」をコーチが求めていたと、このファイナル期間中にコメントしている。
 
 ファイナル初戦のTDガーデンには、“ペップ” グアルディオラ本人の姿もあった。

 マズーラは、「ダラスは最もインテリジェントなディフェンスをするチームのひとつだ。彼らに対抗するにはクリエイティブである必要があった。ペップはトランジションプレーや選手たちの動き方についてアドバイスをくれた」と、シリーズ中も偉大な名将から助言を受けていたことを明かした。

 1968年に、選手兼コーチとしてセルティックスを優勝に導いた当時34歳のビル・ラッセルに次ぐ若さで優勝トロフィーを掲げたマズーラHCを、ガードのデリック・ホワイトは「戦術の天才」と呼んでいる。

 サッカーをはじめ、スポーツ界には近年、選手としては大成していないが、早くから指導者の道に進み、柔軟な発想で新たなアイデアを注入する若くて有能な指揮官が出現している。NCAAのウエストバージニア大でプレーするも、卒業後はプロにならずに即指導者の道に進んだ35歳のマズーラも、まさにその1人だ。

 ヘッドコーチとして輝かしいキャリアを踏み出したばかりの彼は、これからどんなスペクタクルを見せてくれるのだろうか。

文●小川由紀子

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