カーンが創立当初から掲げてきたスローガンが、「アップテンポでハイスピード、常に攻撃を仕掛ける“ショータイム”時代のレイカーズのようなゲームをすること」だ。
実際、パリ・バスケットボールの試合はスピーディーで躍動感にあふれている。ProAでは、首位のモナコ(平均85.7点)をも上回る攻撃力(同86.8点)を誇り、リーグ最多の平均16.3点をマークしたアメリカ出身のガード、TJ・ショーツはリーグのMVPに輝いた。
アリーナの雰囲気も、他のクラブが“町の体育館”的であるのに比べてエンターテインメント性があり、照明やMCなど、NBAのような空気感を作り出している。ユーロリーグ出場ともなれば、今季チャンピオンのパナシナイコスやレアル・マドリーなど、欧州の強豪がパリにやってくるから、これまで以上に盛り上がりを見せることだろう。
そこで気になる選手補強だが、巷では、カーンの人脈を駆使してNBAから有名選手を引っ張ってくるのではないかと話題になっている。しかし先日、ラジオのインタビューでカーン自身がNBA選手のリクルートが難しい理由を明かしていた。
いわく、現在のNBAでは、シーズン中はほとんど練習をしないというのだ。
「これを聴いている方は、私がクレイジーだと思うかもしれないが、これが現実です。NBAでは、シーズン中は3週間に1回くらいしかトレーニングをしないのです。そのリズムに慣れた彼らがヨーロッパに来ると、こちらのシステムに衝撃を受けてしまう。我々もそうですが、欧州のクラブではシーズン中でも2部練習をすることはザラですから。彼らはそれに身体がついていかないのです」
そのため、NBA経験者をリクルートするのであれば、欧州出身者が望ましいと考えているのだそうだ。
2022-23シーズンに日本のBリーグ(シーホース三河、三遠ネオフェニックス)でもプレーした元NBAのビッグマン、カイル・オクインは、その前年の21-22シーズンにパリ・バスケットボールに在籍し、平均10.5点、6.1リバウンドと活躍したが、その彼の順応の様子が、NBA選手のリクルートについて考えるきっかけになったともカーンは話している。
カーンといえば、ウルブズ時代の09年のドラフトで、ステフィン・カリーというのちの大スターがいながら、リッキー・ルビオとジョニー・フリンを5位と6位で指名し「見る目なし」の烙印を押された人物でもある。
それでも、今回のこのパリ・バスケットボールの成長ぶりに関しては、彼の手腕が大きく寄与していることは間違いない。カーン自身は、「パリにアメリカ人が運営するアメリカのクラブを作るのではない。パリジャン的なフランスのクラブを作るのだ」と強調している。
NBAには数多くの選手を輩出しながらも、クラブレベルではいまひとつ活性化していなかったフランスのバスケ界だが、モナコの躍進、そしてパリ・バスケットボールの誕生と、徐々に加速してきた感がある。
パリ・バスケットボールの次の目標は、ユーロリーグに定着できるライセンスの取得だ。バスケ界での経験をフルに注入するカーンが、この新興クラブをどう導いていくのか、お手並み拝見といったところだ。
文●小川由紀子
実際、パリ・バスケットボールの試合はスピーディーで躍動感にあふれている。ProAでは、首位のモナコ(平均85.7点)をも上回る攻撃力(同86.8点)を誇り、リーグ最多の平均16.3点をマークしたアメリカ出身のガード、TJ・ショーツはリーグのMVPに輝いた。
アリーナの雰囲気も、他のクラブが“町の体育館”的であるのに比べてエンターテインメント性があり、照明やMCなど、NBAのような空気感を作り出している。ユーロリーグ出場ともなれば、今季チャンピオンのパナシナイコスやレアル・マドリーなど、欧州の強豪がパリにやってくるから、これまで以上に盛り上がりを見せることだろう。
そこで気になる選手補強だが、巷では、カーンの人脈を駆使してNBAから有名選手を引っ張ってくるのではないかと話題になっている。しかし先日、ラジオのインタビューでカーン自身がNBA選手のリクルートが難しい理由を明かしていた。
いわく、現在のNBAでは、シーズン中はほとんど練習をしないというのだ。
「これを聴いている方は、私がクレイジーだと思うかもしれないが、これが現実です。NBAでは、シーズン中は3週間に1回くらいしかトレーニングをしないのです。そのリズムに慣れた彼らがヨーロッパに来ると、こちらのシステムに衝撃を受けてしまう。我々もそうですが、欧州のクラブではシーズン中でも2部練習をすることはザラですから。彼らはそれに身体がついていかないのです」
そのため、NBA経験者をリクルートするのであれば、欧州出身者が望ましいと考えているのだそうだ。
2022-23シーズンに日本のBリーグ(シーホース三河、三遠ネオフェニックス)でもプレーした元NBAのビッグマン、カイル・オクインは、その前年の21-22シーズンにパリ・バスケットボールに在籍し、平均10.5点、6.1リバウンドと活躍したが、その彼の順応の様子が、NBA選手のリクルートについて考えるきっかけになったともカーンは話している。
カーンといえば、ウルブズ時代の09年のドラフトで、ステフィン・カリーというのちの大スターがいながら、リッキー・ルビオとジョニー・フリンを5位と6位で指名し「見る目なし」の烙印を押された人物でもある。
それでも、今回のこのパリ・バスケットボールの成長ぶりに関しては、彼の手腕が大きく寄与していることは間違いない。カーン自身は、「パリにアメリカ人が運営するアメリカのクラブを作るのではない。パリジャン的なフランスのクラブを作るのだ」と強調している。
NBAには数多くの選手を輩出しながらも、クラブレベルではいまひとつ活性化していなかったフランスのバスケ界だが、モナコの躍進、そしてパリ・バスケットボールの誕生と、徐々に加速してきた感がある。
パリ・バスケットボールの次の目標は、ユーロリーグに定着できるライセンスの取得だ。バスケ界での経験をフルに注入するカーンが、この新興クラブをどう導いていくのか、お手並み拝見といったところだ。
文●小川由紀子
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