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NBA

【WOWOWインタビュー】八村塁と河村勇輝の日本人対決は実現するか?バスケットボール・アナリストの佐々木クリスが両選手と今季のNBAを語る

ダンクシュート編集部

2024.11.05

開幕2戦目で史上4人目の日本人NBAプレーヤーとなった河村。その後も短時間ながらコートに立ち、ここまで5試合に出場している。(C)Getty Images

開幕2戦目で史上4人目の日本人NBAプレーヤーとなった河村。その後も短時間ながらコートに立ち、ここまで5試合に出場している。(C)Getty Images

――河村選手は現在2WAY契約で、今後は当然、本契約を狙っていくことになります。それを実現するために彼が解消していかねばならない課題にはどういったものがあると考えますか。

クリス:トム(ホーバス氏、男子日本代表ヘッドコーチ)さんも言っていた、得点の部分でも河村選手には貪欲にいってほしいです。渡邊選手もメンフィス・ハッスル(グリズリーズ傘下のGリーグチーム)の試合で40点取ったんですよね。それでもグリズリーズの本契約はもらえなかった。もちろんその時のチーム状況やプレーするポジションが違いますが、渡邊選手はGリーグでいわば無双状態だった。そこ(NBAとGリーグ)には明確な違いがあるわけで。河村選手がハッスルに行ったら、それこそオリンピックでやったような平均20点、5リバウンド、7、8アシストといった数字を残さないと説得力が生まれません。

 過去のNBAでもマグジー・ボーグス(元シャーロット・ホーネッツほか、身長160cm)や170cm台の選手たちが活躍した時は、平均2桁得点を2シーズンくらい続けて(実際は3シーズン)取っています。バスケットボールが点を取るスポーツである以上、そこは絶対必要なものだと思います。

 河村選手のここまでを見ると、プレシーズンも含めてペイント内でシュートがほとんど打てていない。昨シーズンのBリーグでは、平均20.9点のうち6.9点はペイント内からの得点で、フリースローも5本くらいは決めているので、基本的に10点くらいはペイント内から取るわけじゃないですか。ホーバスジャパンもそうですが、ペイント内と3ポイントのシュートの比率は1対1が「黄金律」なので、それができるということを証明しないといけないのかなと思います。
 
――その一方で、八村選手は今季で6シーズン目とすっかりNBAに定着しています。今シーズンはルーキーイヤー以来となる開幕スタメンに抜擢されましたし、3ポイント成功率(11月3日時点で52.6%)などを見ても好調です。

クリス:八村選手の口からも「頂点が見たい」といった趣旨の発言がありましたが、非常にモチベーション高くこの6シーズン目を迎えているんじゃないでしょうか。今年のレイカーズは新HCのJJ・レディックが、アンソニー・デイビスをエースだとして、彼にはMVP級の活躍をしてほしいと打ち出しています。チームの戦術の根幹はデイビスを中心とするものとなっていて、その中で八村選手も開幕前から先発指名をされたというのはすごく気持ちがいいと思うんですよね。

 レイカーズのフォワード陣が手薄だということもありますが、彼を先発にしているのはレディックHCからの「やってもらわないと困る」という八村選手へのメッセージにも取れるので、ここまではしっかり気概を持ってやっているんじゃないでしょうか。
 
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