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NBA

ウェンバンヤマが「無条件で信頼する」ステフォン・キャッスル。スパーズの注目新人が大先輩ポールから受けた“意外すぎる金言”とは<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.12.15

 デビューイヤーを経験したばかりの同世代のウェンバンヤマがいて、一方ではポイントガードの大先輩であるクリス・ポールから生きたアドバイスを受けられるというのは、キャッスルにとって非常に理想的な環境だろう。

 そのポールが、キャッスルのデビューの瞬間に授けたアドバイスは実に珍妙だった。

 ダラス・マーベリックスと対戦した開幕戦、第1クォーター残り3分20秒にソーハンとの交代でキャッスルはコートに送り出されたが、その時ポールが彼に囁いたアドバイスは、プレーに関するものかと思いきや、「ウォームアップ中はシャツを出しっぱなしにしてることが多いが、そのままコートに入ったら、ディレイ・オブ・ゲームをとられるからな」というものだった。

 ディレイ・オブ・ゲームは試合進行を妨げた行為に対してコールされるファウル。1度目は警告のみだが、2回目はテクニカルファウルとなってしまう。

 実際にポールは、オクラホマシティ・サンダーでプレーしていた5年前のミネソタ・ティンバーウルブズ戦で、相手のディレイ・オブ・ゲームから勝利を導き出している。
 
 第4クォーター残り1分、交代要員で出てきたジョーダン・ベルのシャツの裾がパンツに入っていないことを目ざとく察知したポールは、即座に審判に指摘。これが2度目のバイオレーションだったことで、ウルブズにテクニカルファウルが与えられる。2点を追っていたサンダーは、ここでゲットしたフリースロー1本を決めたのが効いて同点に持ち込むと、オーバータイムの末に勝利をモノにしたのだった。

 生涯に一度きりの栄えあるデビューの瞬間に「え?シャツの裾?」と言いたくなるようなアドバイスではあるが、それが転じてゲームの勝敗をも左右するのだというポールの真意は、キャッスルにとって貴重な財産となったことだろう。さすがはキャリア20年目の超ベテラン。目の付け所が違う。

 キャッスルはしっかりシャツをインしてコートに上がると、18分間で8得点、3リバウンド、5アシストという及第点の数字でデビュー戦を終えた。

『USAトゥデイ』紙が先日発表した現時点でのルーキーランキングでも、ジャレッド・マケイン(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、ダルトン・コネクト(ロサンゼルス・レイカーズ)、ジェイレン・ウェルズ(メンフィス・グリズリーズ)に次ぐ4番手にランキングされるなど、メディアでの評価も上り調子のキャッスル。プレーイン圏内を目指すスパーズにとって、頼れる選手に成長しつつある。

文●小川由紀子

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