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NBA

ウエスト首位から下位へ転落したウォリアーズのカリーが抱える苦悩「どんな状況であれ、負けるのは嫌だ…イライラするよ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.01.09

 2009年のNBA入り後、カリー擁するウォリアーズがシーズンで負け越したのは最初の3シーズン(2009-10から2011-12)とケガで5試合の出場に終わった2019-20シーズンのみ。

 昨季もプレーイン・ゲームで敗れてプレーオフ進出を逃したとはいえ、46勝36敗(勝率56.1%)の成績を残し、夏のパリオリンピックでは準決勝と決勝で超人的な活躍を見せて金メダルを手にしていただけに、カリーが「どんな状況であれ、負けるのは嫌だ…イライラするよ」と口にするのも無理はない。

 ウォリアーズの指揮官に就任して11シーズン目、パリ五輪でアメリカ代表の指揮も執ったスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)は、フラストレーションを表面化させているカリーについてこう話す。

「私にも見てとれる。ステフが(重責を)抱えているのがわかる。彼は2戦続けて素晴らしい活躍を披露した。ただ、彼のコアは勝者であり、チャンピオンなんだ。だからこそ最高のレベルで競い合うことを望んでいる。4か月前にパリで目の当たりにしたようにね。あの時の彼は第4クォーターを支配していた。それが彼の姿であり、あの瞬間のために戦っているんだ。

 今の彼は十分に競い合うことができていないことで、メンタル面で苦しんでいる。彼がこんな気持ちになるのは、(NBA入りして)最初の数年間以来のことかもしれない。それくらい、彼は間違いなく苦戦している」
 
 今季のウォリアーズはディフェンシブ・レーティングでリーグ9位(110.5)と健闘する一方で、オフェンシブ・レーティングは同19位(111.4)と低迷。試合時間残り5分で5点差以内のクラッチシチュエーションをリーグ2位タイの22試合も経験しながら、10勝12敗と勝ち切れず、第3クォーター終了時にリードを許した16試合で逆転勝利できたのはわずか1回と、チームとしての粘りが不足していると見ることもできる。

 故障者の復帰時期も気になるところであり、すでに今季36試合で19パターンの先発陣を送り込んでいるように、選手起用でも試行錯誤が続いている。

 レギュラーシーズンは間もなく折り返し地点に入り、ここから順位争いはさらに激化していく。9日からアウェー4連戦が始まるなか、なんとかして勝ち切れない現状から脱却し、白星先行へ好転させていきたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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