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NBA

欧米では“陰謀説”も…。モスクワ勾留中の“世界最高女子バスケ選手”ブリトニー・グライナーの今<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.03.28

 その疑惑に応戦するかのように、ロシア連邦税関は、グライナーらしき人物が荷物検査場に入ってきた時、麻薬検査犬が反応して、手荷物の中にあった包みをチェックされている監視カメラの映像を公開。

 彼女が携帯していたといわれる『hashish oil 』(ハシシ油)は、国によっては合法であり、薬として使用されている例もあるなど、合法と違法のすれすれのラインにあるドラッグであるようだ。

 彼女には、2020年2月にベオグラードで行なわれた東京五輪の最終予選で取材させてもらう機会があったが、コート上での豪快なプレーが別人かと思えるくらい、オフコートでの、少女のような可愛らしい受け答えが印象的だった。同行したカメラマンが遠慮がちにツーショット写真をお願いしたときに、笑顔で応じてくれた気さくな振る舞いも、とても記憶に残っている。
 
 1か月以上も音沙汰がなかった彼女が、良好な健康状態であることが伝えられたのは朗報だが、勾留所を出られるのは、ここからまだ約2か月後の5月19日を予定しているとのこと。その後、ロシアの法律により、最長10年の禁固刑になる可能性もあると言われている。

 合法か違法かのボーダーラインにあるような薬物を携帯することは、プロのアスリートであればなおのこと、不注意だと言わざるを得ない。ただ、戦時下で、敵国に勾留されているという状況はどれほど恐ろしいことかとも思う。彼女が心身の健康を保ち、そして今後、正当な対応を受けられることを願うばかりだ。

文●小川由紀子

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