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海外サッカー

ヤマル離脱で再び対立激化! バルサとスペイン代表の確執が表面化し、論争はフィナリッシマまで尾を引く展開に

下村正幸

2025.11.19

ヤマルの代表招集を巡って、スペインでは激しい論争が。(C)Getty Images

ヤマルの代表招集を巡って、スペインでは激しい論争が。(C)Getty Images

 ラミネ・ヤマルの怪我の治療とスペイン代表への招集を巡る騒動は、11月シリーズに再びヒートアップした。ヤマルは以前から恥骨に痛みを抱え、代表招集の直前に治療を受けていた事実が判明。しかしスペイン・サッカー連盟(RFEF)には事前連絡がなく、一度招集した後に離脱を認める形となったため、RFEFは「代表チームの医療スタッフへの事前連絡なしに治療を行なった」と声明で不満を示した。

 このバルセロナ側の報告のタイミングを巡って、首都マドリード発のメディアを中心に非難の声が殺到。『AS』紙のルイス・ニエト記者は、「ルイス・デ・ラ・フエンテ監督に盾突き、侮辱するためにわざと報告を遅らせて、不満を誇張した」と確信犯的な行為だったとまで主張する。

 一方、バルセロナ発のメディアはこれに反発し、「連盟と代表監督が、選手の健康を守り、回復のために適切な治療を施すクラブを批判するのは、まったくもって不適切だ。彼らは一体何を望んでいるのか? バルサと代表の関係を断ち切りたいのか?」と主張した。
 
 さらに、『AS』のホアキン・マロト記者は、バルサ首脳陣がガビの怪我やペドリの酷使について以前からRFEFに不満を抱えていたと説明。特に、長期離脱から復帰したばかりのマルク・ベルナルがU-21代表に招集されかけた事案が、ジョアン・ラポルタ会長の怒りを強めたと指摘する。そのうえで、ハンジ・フリック監督の感情的な代表批判を非難し、デ・ラ・フエンテ監督も冷静に対応すべきだったと論じた。

 またバルサ側の不満の一因として、ヤマルばかりが騒がれる点も挙げられる。例えばレアル・マドリーのハイセンも筋肉の問題で代表を離れたが、RFEFは「健康と安全を最優先した判断」と静かに説明し、大きな話題にはならなかった。この対応の差について、バルサ側は「ヤマルにだけ過剰な雑音が続いている」と不公平感を示す。

 次の代表シリーズは来年3月で、スペインはアルゼンチンとの『フィナリッシマ2026』(EURO王者とコパ・アメリカ王者の対決)を控えている。バルサの新旧エースであるヤマルとリオネル・メッシの対決は大きな注目を集めるはずだ。クラブと代表による板挟みの状況が続くヤマルは、それまでに騒動が落ち着く展開を望んでいるだろう。

文●下村正幸

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