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海外サッカー

「正気の沙汰じゃない」スペイン紙絶賛!“クロス拒絶”の美学で北極圏の無印軍団が欧州を制圧【CL】

下村正幸

2026.03.03

3分け3敗からの快進撃でCL16強入りを果たしたノルウェーのボデ/グリムト。(C)Getty Images

3分け3敗からの快進撃でCL16強入りを果たしたノルウェーのボデ/グリムト。(C)Getty Images

 ノルウェーのボデ/グリムトが、マンチェスター・シティ(3-1)、アトレティコ・マドリー(2-1)に続き、プレーオフでもこれまた強豪のインテルを立て続けに破り(3-1、2-1/合計5-2)、チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント進出という快挙を成し遂げた。

 昨シーズンのヨーロッパリーグでベスト4に食い込み、今シーズンのCLでもトッテナムやドルトムントを相手に、いずれも2-2のドローに持ち込むなど、その地力は証明済みだった。しかし、リーグフェーズ第6節を終えた時点で3分け3敗と白星から見放され、誰もがその限界を予感したが、それこそが歴史的な快進撃の序章に過ぎなかった。

 スペイン紙『EL PAIS』が報じるトーンの変化は、欧州全土が抱く驚きの軌跡そのものである。

「ボデ/グリムトが欧州最高峰の舞台で歴史的な白星を手にした。この快挙を後押ししたのは、シティの『深刻な機能不全』だった。ペップ・グアルディオラが心血を注いで築いた巨大なシステムは、北極圏の地でなす術なく打ちのめされたのだ」

「観る者を魅了するフットボールを掲げる、極北のスモールクラブ。先週シティを破る大番狂わせを演じたボデ/グリムトは、今度はアトレティコまでも赤面させた」

「『北の伏兵』が見せるダイナミックなフットボールが、無骨なインテルを粉砕した。北極圏まで出向いて単調なクロスの放り込みを繰り返した相手に対し、ボデ/グリムトは力任せに突進する戦車ではないと証明した。彼らは極限まで研ぎ澄まされた知性によってピッチを支配する集団である事実を、身をもって実証したのだ。その勢いは聖地サンシーロでも衰えず、6日後に前回準優勝チームを敵地で撃破。前半を耐え抜き、後半に牙を剥く見事な試合運びで、クラブ史上初のベスト16へと名乗りを上げた」

 スペインの新進気鋭のフリージャーナリスト、ミゲル・キンターナ氏も、その戦術的完成度に舌を巻く。「世界中に、これほど鮮やかなトランジションを見せるチームが他にあるだろうか。プレーに宿る電気のようなスピード、正確性、そして創造的なパスワークと動き出しは驚異的だ。速攻であれポゼッションであれ、毎試合、緻密に計算されたゴールを奪ってみせる。まったく、正気の沙汰ではない」
 
 さらに『EL PAIS』のディエゴ・トーレス記者は、その哲学をこう絶賛する。「『全員が一つに』――このボデ/グリムトの哲学は、北欧の連帯精神そのものだ。プレスもパスワークも常に連動し、全員が顔を出してパスコースを作る。特筆すべきはその攻略法にある。アーセナルやバルセロナ、バイエルンといった欧州きってのメガクラブでさえ、なりふり構わずサイドからクロスを放り込む単調な攻撃に逃げることはある。

 だが、ボデ/グリムトはそうした戦い方をまるで『反則技』であるかのように拒絶するのだ。彼らは最も洗練された道、すなわちワンツーでの中央突破を執拗に繰り返し、敵陣を切り裂いていく。欧州のヒエラルキーが根底から覆されるその光景は、まさにあべこべの世界である」

 ラウンド16で、ボデ/グリムトはスポルティング(ポルトガル)と激突する。指揮官ヒェティル・クヌートセンは、決勝トーナメント進出の喜びを「互いの頬をつねり合わなければ、これが現実だとは到底信じられない」と表現した。無印の軍団が巻き起こす北海からの旋風は、今や欧州フットボール界の既成概念を飲み込もうとしている。

文●下村正幸

【動画】伏兵ボデ/グリムトがインテルを撃破!
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