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日本代表

「7-0圧勝の裏にいた“黒幕”は鈴木淳之介だった」“どこでもできる男”がついに主役になった日

下村正幸

2026.04.14

コペンハーゲンの大勝に貢献した日本代表の鈴木淳之介。(C)Getty Images

コペンハーゲンの大勝に貢献した日本代表の鈴木淳之介。(C)Getty Images

 ボー・スヴェンソン新監督が就任し、新たなフェーズに入ったFCコペンハーゲン。その初陣となったシルケボー戦(7-0)で、戦術の鍵として脚光を浴びたのが鈴木淳之介だった。

 日本代表の英国遠征では3月28日のスコットランド戦、伊東純也の決勝ゴールにおいて、肝となったのが鈴木のプレーだった。中村敬斗の展開から左サイドの三笘薫にボールが渡ると、インナーラップで駆け上がりパスを受け、中央へクロスを供給。塩貝健人が落としたボールを伊東が叩き込んだ。まさに、様々なポジションをこなすことで培った彼の万能性が凝縮したプレーだった。

 この能力に着目したのが、成績不振による監督交代を受けて3月末に就任したスヴェンソン監督だ。初采配を振るったシルケボー戦、右サイドバックで起用した鈴木に対し、ビルドアップ時には実質的にアタッキングサードまで顔を出す、中央に絞った攻撃的な役割を与えた。

 指揮官は試合後、「彼が前線へ走り込み、遅れてエリア内に進入するのは論理的な選択だと思えた。それと同じくらい重要だったのは、そうすることでサイドに1対1の局面を作り出せた点にある。これにより、対戦相手は我々への対策を変えざるを得なくなる」と意図を語り、「これまでとは異なるダイナミズムであり、“あのポジション”によってチームに新たなニュアンスをもたらしてくれた」とその成果を強調した。

 デンマーク最大のサッカーサイト『bold』は、練習から鈴木を高い位置へ押し上げる戦術に長い時間を割いていたと伝えており、結果が出たことに指揮官も満足感を示している。「素晴らしいことだ。上手くいった時は最高だが、今後も継続するかはこれからの状況を見て判断する。守備においても攻撃においても、選手たちが複数の役割をこなせる多機能なチームを目指したい。スズキはそれができる。彼のような選手が増えれば、交代枠を使わずに戦術を調整できる可能性が広がるからね」
 
 一方、デンマークの大手放送局TV 2が運営するスポーツ専門サイト『TV 2 Sport』は、「スヴェンソン監督が初陣で施した調整は微細かつ最小限だが、絶大な効果を発揮している」と評し、その中で最大の変化と指摘する鈴木のポジションについては、元デンマーク代表の名サイドバック、ラルス・ヤコブセンの分析を紹介している。

「後方からのビルドアップ時、スズキは比較的低い位置に留まる。しかし、チームが押し上げると彼は前方のスペースへと姿を消し、まるで10番(トップ下)のようにインサイドへ潜り込む。その動きはジョーダン・ラーションとの見事なダイナミズムを生んだ。鈴木が中へ絞ることで、ラーションは自分が最も輝ける場所、つまりサイドのワイドな位置でボールを受けられるようになったからだ」

 スヴェンソン監督は「私のアイデアは、数人の選手を異なるポジションに配置することだった。スズキは非常にダイナミックな選手だし、コペンハーゲンへ来る前はより中央のポジションでプレーしていた。だから、あの中間のスペースをどう使うべきかをよく理解しているんだ」と、起用の背景を補足している。

 指揮官が代わる前も、鈴木は右サイドバックとセンターバックを高いレベルでこなし、その万能性を発揮してきた。昨年12月、センターバックとして起用され勝利に貢献したCLビジャレアル戦(3-2)後には、当時の指揮官ヤコブ・ニーストラップがこう絶賛していた。

「これ以上ないほど説得力のあるプレーを見せてくれた。ボール保持の局面はもちろん、ライン間の距離感を保つ点においても素晴らしかった。特筆すべきは地上戦、空中戦を問わない対人守備の強さだ。スピード、ヘディング、クリアの判断。総じて実に見事なパフォーマンスだった」

 その万能性が、新監督の下では攻撃的な役割として結実している。持ち前のセンスにさらに磨きをかけながら、鈴木はW杯に向けて牙を剥いている。

文●下村正幸

【動画】コペンハーゲンの“ゴールショー”となったシルケボー戦のハイライト
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