3月の代表ウィークでアピールに成功した鈴木唯人は、ブンデスリーガでも確かな存在感を示し始めている。所属クラブのSCフライブルクにおいて欠かせないレギュラー選手として、信頼を勝ち取っている。
リーグ24試合で4ゴール・3アシスト。国内カップ戦では4試合で1ゴール・1アシスト、そしてヨーロッパリーグ(EL)では10試合で4ゴール・3アシストを記録している。
直近のセルタとのEL準々決勝セカンドレグで2ゴールを挙げる活躍を見せたのは、記憶に新しい。
ただ、その評価を支えているのは、単なる数字の積み上げだけではない。監督であるユリアン・シュースターからの信頼に直結しているのは、ハードワークを厭わないタスクワークの質と、状況を見定めてアクセントを加える戦術眼の素晴らしさこそが、現在地を形作っていると言える。
「基本に立ち返ってやるべきことをやる。走って、戦って、チームのためにやれることをする。攻撃でうまくやろうとか、何かすごいことをしようとかは思わずに、基本的なことを地道に試合の最初からやり続ける。こういうときだからこそ、ミスすることを恐れずにチャレンジしようと思っていました」
ELゲンク戦後に鈴木が残したこの言葉が、彼の思いとフライブルクで積み重ねている日々の努力を物語っている。
守備面における評価は高い。前線からは単に走り回るだけでなく、相手の選択肢を制限しながら、チームの守備ブロックと連動して狙いのあるプレスができる。どこに追い込み、どのコースを消すのか。その判断と実行精度が高いから、後ろの守備が崩れにくい。試合をうまく進めるうえで、そうした選手がピッチにいる価値は非常に高い。シュースター監督からの信頼につながっているのは自然な流れだろう。
もちろん、オフェンス時の能力も見逃せない。リズミカルなパスで攻撃にスピードをもたらし、機を見て持ち運ぶドリブルはスピードもスキルレベルも高い。バイタルエリアでボールを持つと、ゴールを狙えるのも鈴木の良さだ。無理な一発ではなく確率の高いフィニッシュを選び取る冷静さがある。
自分を押し出しすぎず、チームプレーを大切にする。そのなかで自分のプレーがチームを助ける局面を見逃さずにチャレンジする。3月の代表週間を終えた後、それが成長につながっていると実感できたことを明かしてくれた。
「ここ(フライブルク)でやっていることが、代表に入っても違和感なく出せたというか、普通の感覚でプレーできたのは大きかったです。スコットランド戦でいつも通りの感覚をもてた」
鈴木は周囲を活かしながら自分が活きる瞬間を見逃さないタイプといえる。日本代表で前線の主力である久保建英や堂安律、復帰に向けてリハビリに励んでいる南野拓実と比較した際にも、十分武器になる特徴を持った選手である。
代表だけではなく、クラブではリーグ、カップ戦、ヨーロッパリーグとすべてのコンペティションで勝ち残っており、日程は相当に過密だ。だが、それこそが求める舞台だ。
「トップレベルでは、その中でもみんなパフォーマンスを出しているので、それは言い訳にできない。やることをやっていくしかないと思っています。試合は次々に来るので、しっかり切り替えて、次もいいパフォーマンスができるようにやっていきたいです」
それがあっても全力でプレーするから、シュースター監督は全幅の信頼をもってピッチに送る。試合中には鈴木を呼んで、ポジショニングやプレーの方向について話をするシーンもよく目にする。
チームメイトのデニー・シェルハントはそんな鈴木について、次のように絶賛していたことがある。
「とてもクリエイティブで、視野が広い素晴らしい選手だよ。チーム内で彼の価値観はとても高いものがある」
鈴木唯人はチームの中で機能し続けることで信頼を勝ち取り、その中で自らの価値を拡張してきた。選手が成長できるクラブとして有名なフライブルクという場所で、組織の中で強みを発揮する能力を磨き続けている。
日本代表においても新たな選択肢となる可能性を秘めているのではないだろうか。今後のさらなる進化に注目したい。
取材・文●中野吉之伴
【動画】EL準決勝進出を決めたセルタ戦セカンドレグの2ゴール
リーグ24試合で4ゴール・3アシスト。国内カップ戦では4試合で1ゴール・1アシスト、そしてヨーロッパリーグ(EL)では10試合で4ゴール・3アシストを記録している。
直近のセルタとのEL準々決勝セカンドレグで2ゴールを挙げる活躍を見せたのは、記憶に新しい。
ただ、その評価を支えているのは、単なる数字の積み上げだけではない。監督であるユリアン・シュースターからの信頼に直結しているのは、ハードワークを厭わないタスクワークの質と、状況を見定めてアクセントを加える戦術眼の素晴らしさこそが、現在地を形作っていると言える。
「基本に立ち返ってやるべきことをやる。走って、戦って、チームのためにやれることをする。攻撃でうまくやろうとか、何かすごいことをしようとかは思わずに、基本的なことを地道に試合の最初からやり続ける。こういうときだからこそ、ミスすることを恐れずにチャレンジしようと思っていました」
ELゲンク戦後に鈴木が残したこの言葉が、彼の思いとフライブルクで積み重ねている日々の努力を物語っている。
守備面における評価は高い。前線からは単に走り回るだけでなく、相手の選択肢を制限しながら、チームの守備ブロックと連動して狙いのあるプレスができる。どこに追い込み、どのコースを消すのか。その判断と実行精度が高いから、後ろの守備が崩れにくい。試合をうまく進めるうえで、そうした選手がピッチにいる価値は非常に高い。シュースター監督からの信頼につながっているのは自然な流れだろう。
もちろん、オフェンス時の能力も見逃せない。リズミカルなパスで攻撃にスピードをもたらし、機を見て持ち運ぶドリブルはスピードもスキルレベルも高い。バイタルエリアでボールを持つと、ゴールを狙えるのも鈴木の良さだ。無理な一発ではなく確率の高いフィニッシュを選び取る冷静さがある。
自分を押し出しすぎず、チームプレーを大切にする。そのなかで自分のプレーがチームを助ける局面を見逃さずにチャレンジする。3月の代表週間を終えた後、それが成長につながっていると実感できたことを明かしてくれた。
「ここ(フライブルク)でやっていることが、代表に入っても違和感なく出せたというか、普通の感覚でプレーできたのは大きかったです。スコットランド戦でいつも通りの感覚をもてた」
鈴木は周囲を活かしながら自分が活きる瞬間を見逃さないタイプといえる。日本代表で前線の主力である久保建英や堂安律、復帰に向けてリハビリに励んでいる南野拓実と比較した際にも、十分武器になる特徴を持った選手である。
代表だけではなく、クラブではリーグ、カップ戦、ヨーロッパリーグとすべてのコンペティションで勝ち残っており、日程は相当に過密だ。だが、それこそが求める舞台だ。
「トップレベルでは、その中でもみんなパフォーマンスを出しているので、それは言い訳にできない。やることをやっていくしかないと思っています。試合は次々に来るので、しっかり切り替えて、次もいいパフォーマンスができるようにやっていきたいです」
それがあっても全力でプレーするから、シュースター監督は全幅の信頼をもってピッチに送る。試合中には鈴木を呼んで、ポジショニングやプレーの方向について話をするシーンもよく目にする。
チームメイトのデニー・シェルハントはそんな鈴木について、次のように絶賛していたことがある。
「とてもクリエイティブで、視野が広い素晴らしい選手だよ。チーム内で彼の価値観はとても高いものがある」
鈴木唯人はチームの中で機能し続けることで信頼を勝ち取り、その中で自らの価値を拡張してきた。選手が成長できるクラブとして有名なフライブルクという場所で、組織の中で強みを発揮する能力を磨き続けている。
日本代表においても新たな選択肢となる可能性を秘めているのではないだろうか。今後のさらなる進化に注目したい。
取材・文●中野吉之伴
【動画】EL準決勝進出を決めたセルタ戦セカンドレグの2ゴール




