史上最多となる48か国が参加している北中米ワールドカップは、開幕前から様々な議論を呼んできた。出場国数の拡大による大会規模の肥大化、試合数の増加、選手への負担、開催地の広大さなど、ピッチ内外で問題点が指摘されている。
そうした中、イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、「あまりにも多くの国がグループステージを突破できる大会方式」に疑問を投げかける特集記事を掲載。「グループステージの緊張感が薄れ、“本来のW杯”が始まるまでに長い時間を要している」と指摘した。
「48か国制W杯の第1フェーズは、感情面での波乱を生むことはあっても、本質的な意味での“落とし穴”はほとんど存在しない、巨大な“箱”だ」との表現で、「最終的には、ほとんどのチームが突破する」と綴った同メディアは、その問題を以下のように説明している。
「12グループを消化するために72試合が行なわれるが、それによって脱落するのは48チーム中わずか16チームだけだ。数学的に言えば、大会全試合数の69%を費やして、出場チームのわずか33%しか排除しないことになる。このアンバランスさは、誰の目にも明らかである」
記事では、この状況が南米予選にも似ているとされ、「10か国が参加する南米予選では、18節、合計90試合が行なわれるにもかかわらず、敗退するのはたった3チーム。さらに下から4位(7位)のチームには大陸間プレーオフの機会まで与えられる」とし、「最終結果を考えれば、信じ難いほどのエネルギーの浪費であり、強豪国が予選落ちする可能性も極めて低い」と主張。実例として、「ブラジルは2026年大会予選で5位だったにもかかわらず、それでも7位のボリビアに勝点8差をつけていた」と紹介した。
また、48か国制の構造そのものにも疑問を呈し、「興味深いことに、グループステージで敗退する16チームという数は、出場国が32から48へ増えた際の増加分とちょうど同じだ。72試合もの“過剰摂取”を終えた後に残るのは、結局前回大会と同じ32チームである」と皮肉っている。
さらに、「48か国制は小国に大きなチャンスを与える一方、強豪国がグループ突破に失敗するには、文字通り自滅するしかない」と論じ、その実際の例としてトルコ代表を挙げ、「ヴィンチェンツォ・モンテッラが率いるトルコは、ある程度の実績を持つ国としては、おそらく唯一の例外となり、ハイチに続く2か国目の敗退確定国として、早々に大会から姿を消した」と紹介した。
また同メディアは、データサイト『Football Meets Data』の分析も引用し、それによれば、ドイツ代表が初戦でキュラソーを7-1で下した時点で、グループ突破確率が「99.6%」に達していたという。その理由について、「各組3位のうち12チーム中8チームが決勝トーナメントへ進めるため、敗退する方が難しい」と説明。「勝点3と大量得点による得失点差をわずか90分で手にしただけで、ほぼ突破が保証されてしまった」と指摘した。
記事では、1994年アメリカ大会のイタリア代表も引き合いに出され、「当時もイタリアはグループ3位から決勝まで進出した。あの時代も、そして今も、グループリーグ3試合だけで大会を去るのは、非常に難しい」と振り返っている。
この件で同メディアが問題視したのは、突破の容易さだけではない。早期突破を決めたチームに生じる“空白期間”も懸念材料として挙げている。アメリカ代表を例に挙げれば、6月19日にオーストラリアを下して連勝を果たし、早々にグループ首位通過を決めた開催国は今後、25日にトルコとの“消化試合”を戦い、決勝トーナメント初戦は7月1日。つまり、12日もの間隔が空くということだ。
このことについて、「競争力のある試合から、次の真剣勝負まで12日間……。短期決戦であるはずのW杯においては、永遠のような長さだ」と指摘。W杯に限らず、あらゆるコンペティションで過密日程が議論に上がるものだが、大会の規模の拡大が真逆の懸念や問題を生み出してしまうのは、やはり現在のサッカー界が抱える歪さやアンバランスさによるものかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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そうした中、イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、「あまりにも多くの国がグループステージを突破できる大会方式」に疑問を投げかける特集記事を掲載。「グループステージの緊張感が薄れ、“本来のW杯”が始まるまでに長い時間を要している」と指摘した。
「48か国制W杯の第1フェーズは、感情面での波乱を生むことはあっても、本質的な意味での“落とし穴”はほとんど存在しない、巨大な“箱”だ」との表現で、「最終的には、ほとんどのチームが突破する」と綴った同メディアは、その問題を以下のように説明している。
「12グループを消化するために72試合が行なわれるが、それによって脱落するのは48チーム中わずか16チームだけだ。数学的に言えば、大会全試合数の69%を費やして、出場チームのわずか33%しか排除しないことになる。このアンバランスさは、誰の目にも明らかである」
記事では、この状況が南米予選にも似ているとされ、「10か国が参加する南米予選では、18節、合計90試合が行なわれるにもかかわらず、敗退するのはたった3チーム。さらに下から4位(7位)のチームには大陸間プレーオフの機会まで与えられる」とし、「最終結果を考えれば、信じ難いほどのエネルギーの浪費であり、強豪国が予選落ちする可能性も極めて低い」と主張。実例として、「ブラジルは2026年大会予選で5位だったにもかかわらず、それでも7位のボリビアに勝点8差をつけていた」と紹介した。
また、48か国制の構造そのものにも疑問を呈し、「興味深いことに、グループステージで敗退する16チームという数は、出場国が32から48へ増えた際の増加分とちょうど同じだ。72試合もの“過剰摂取”を終えた後に残るのは、結局前回大会と同じ32チームである」と皮肉っている。
さらに、「48か国制は小国に大きなチャンスを与える一方、強豪国がグループ突破に失敗するには、文字通り自滅するしかない」と論じ、その実際の例としてトルコ代表を挙げ、「ヴィンチェンツォ・モンテッラが率いるトルコは、ある程度の実績を持つ国としては、おそらく唯一の例外となり、ハイチに続く2か国目の敗退確定国として、早々に大会から姿を消した」と紹介した。
また同メディアは、データサイト『Football Meets Data』の分析も引用し、それによれば、ドイツ代表が初戦でキュラソーを7-1で下した時点で、グループ突破確率が「99.6%」に達していたという。その理由について、「各組3位のうち12チーム中8チームが決勝トーナメントへ進めるため、敗退する方が難しい」と説明。「勝点3と大量得点による得失点差をわずか90分で手にしただけで、ほぼ突破が保証されてしまった」と指摘した。
記事では、1994年アメリカ大会のイタリア代表も引き合いに出され、「当時もイタリアはグループ3位から決勝まで進出した。あの時代も、そして今も、グループリーグ3試合だけで大会を去るのは、非常に難しい」と振り返っている。
この件で同メディアが問題視したのは、突破の容易さだけではない。早期突破を決めたチームに生じる“空白期間”も懸念材料として挙げている。アメリカ代表を例に挙げれば、6月19日にオーストラリアを下して連勝を果たし、早々にグループ首位通過を決めた開催国は今後、25日にトルコとの“消化試合”を戦い、決勝トーナメント初戦は7月1日。つまり、12日もの間隔が空くということだ。
このことについて、「競争力のある試合から、次の真剣勝負まで12日間……。短期決戦であるはずのW杯においては、永遠のような長さだ」と指摘。W杯に限らず、あらゆるコンペティションで過密日程が議論に上がるものだが、大会の規模の拡大が真逆の懸念や問題を生み出してしまうのは、やはり現在のサッカー界が抱える歪さやアンバランスさによるものかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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