欧州各国リーグの2026-27シーズンが幕を開けてから約1か月。強豪が順当に好スタートを切る一方で、序盤から意外なチームが躍進するなど、それぞれのリーグは早くも様々な様相を呈している。
そんななか、フランスのサッカー専門誌『SO FOOT』が注目したのが、イタリアのセリエAだ。これまで同誌は隣国のカルチョ界に対して、その保守性や娯楽性の乏しさを痛烈に批判し、時には皮肉や嘲笑まで浴びせてきた。しかし、今シーズンのセリエAについては「過去にはスペクタクルの欠如が理由で酷評されてきたが、今ではふたたび観客を楽しませている」と、その大変貌ぶりを高く評価している。
象徴的な試合として取り上げたのが、第3節カリアリ対レッチェ。前者が1-0で勝利したこの試合では、両チーム合わせて30本、枠内11本ものシュートが飛び交った。記事では、「予想に反して息をつかせぬ展開だった。『高齢化し、野心がなく、何より死ぬほど退屈』という近年のセリエAにつきまとってきたイメージとはかけ離れていた」と称賛した。
この“大変貌”の要因として同誌が挙げたのは、「北中米ワールドカップで導入された、時間浪費を抑えるための新たなレフェリング基準」。スローインやゴールキックを5秒以内に行なうことや、交代選手が10秒以内にピッチを離れること、治療を受けた選手が1分間ピッチ外に留まることなどが、イタリアのトップリーグでも採用されている。
その効果は、数字にも表われているという。「セリエA開幕節の平均実質プレー時間は59分14秒。昨シーズンの54分42秒から、実に4分32秒も増加した。試合の流れが途切れにくくなり、テンポとダイナミズムが増したことで、観戦する側にとっても魅力的になった」と指摘した。
同誌は、「新しいルールで、試合のリズムがとても良くなった」(コモのセスク・ファブレガス監督)、「最大の恩恵を受けるのは観客だ」(ローマのジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督)といった現場の好意的なコメントも紹介。実際、開幕節から第4節までの計40試合で、0-0の試合はない。伊紙『il Fatto Quotidiano』によると、第4節を終えて0-0の試合がなかったのはセリエA史上初の出来事だという。
さらに仏サッカー誌『SO FOOT』はセリエAの魅力について、「新ルールは攻撃的なスタイルを志向するチームにとって追い風となっている」との見解を示し、「第4節では計39ゴールが誕生。ローマが首位を走り、王者インテルもウディネーゼ戦で5-3という派手な打ち合いを演じた。昨シーズン好成績を残したコモも勢いを維持している。今シーズンのスクデット争いは、エキサイティングなものになりそうだ」と記し、「カリアリ(5位)や昇格組フロジノーネ(7位)といった伏兵の上位進出も、リーグに新鮮さをもたらしている」と評している。
一方で、ユベントス(8位)やミラン(6位)は本調子とは言い難く、ナポリも苦戦(10位)。今夏に大補強を展開したフィオレンティーナが15位に沈むなど、期待を裏切っている強豪チームもあるが、同誌は「これもリーグ全体の均衡という意味では、プラスに作用している」と捉え、「セリエAは、将来さらに良い時代を迎えるための正しい軌道に乗っている」と綴って記事を締めている。
このように隣国に対して賛辞を贈った同誌は、今シーズンの自国リーグに対しても面白さを見出している。長年パリ・サンジェルマンの「一強」が続いてきたリーグ・アンに、今シーズンは大きな異変が起きているからだ。
過去10シーズンで8度のリーグ制覇を果たしているパリSGは、開幕3試合を終えてまさかの未勝利(4節ブレスト戦でようやく初勝利)。今月5日に公開された記事で同誌は「パリSGが揺さぶられ、リーグ・アン全体が元気を取り戻した」「いよいよ、競争のあるリーグを夢見てもいいのではないか?」と期待を寄せている。
ここまでの試合、ほとんどのスタッツで相手を上回りながらも勝利に結びつけられずにいた絶対王者について、「パリSGは調子を落としているが、崖っぷちにいるわけではない」と冷静に分析したうえで、同誌は「長年、早々に筋書きが見えてしまう優勝争いを見せられてきたフランスのファンにとって、予想外で、ほとんど夢のような“大作映画”。今回はパリが、これまで以上にプレッシャーをかけられる可能性がある」と展望した。
構成●THE DIGEST編集部
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そんななか、フランスのサッカー専門誌『SO FOOT』が注目したのが、イタリアのセリエAだ。これまで同誌は隣国のカルチョ界に対して、その保守性や娯楽性の乏しさを痛烈に批判し、時には皮肉や嘲笑まで浴びせてきた。しかし、今シーズンのセリエAについては「過去にはスペクタクルの欠如が理由で酷評されてきたが、今ではふたたび観客を楽しませている」と、その大変貌ぶりを高く評価している。
象徴的な試合として取り上げたのが、第3節カリアリ対レッチェ。前者が1-0で勝利したこの試合では、両チーム合わせて30本、枠内11本ものシュートが飛び交った。記事では、「予想に反して息をつかせぬ展開だった。『高齢化し、野心がなく、何より死ぬほど退屈』という近年のセリエAにつきまとってきたイメージとはかけ離れていた」と称賛した。
この“大変貌”の要因として同誌が挙げたのは、「北中米ワールドカップで導入された、時間浪費を抑えるための新たなレフェリング基準」。スローインやゴールキックを5秒以内に行なうことや、交代選手が10秒以内にピッチを離れること、治療を受けた選手が1分間ピッチ外に留まることなどが、イタリアのトップリーグでも採用されている。
その効果は、数字にも表われているという。「セリエA開幕節の平均実質プレー時間は59分14秒。昨シーズンの54分42秒から、実に4分32秒も増加した。試合の流れが途切れにくくなり、テンポとダイナミズムが増したことで、観戦する側にとっても魅力的になった」と指摘した。
同誌は、「新しいルールで、試合のリズムがとても良くなった」(コモのセスク・ファブレガス監督)、「最大の恩恵を受けるのは観客だ」(ローマのジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督)といった現場の好意的なコメントも紹介。実際、開幕節から第4節までの計40試合で、0-0の試合はない。伊紙『il Fatto Quotidiano』によると、第4節を終えて0-0の試合がなかったのはセリエA史上初の出来事だという。
さらに仏サッカー誌『SO FOOT』はセリエAの魅力について、「新ルールは攻撃的なスタイルを志向するチームにとって追い風となっている」との見解を示し、「第4節では計39ゴールが誕生。ローマが首位を走り、王者インテルもウディネーゼ戦で5-3という派手な打ち合いを演じた。昨シーズン好成績を残したコモも勢いを維持している。今シーズンのスクデット争いは、エキサイティングなものになりそうだ」と記し、「カリアリ(5位)や昇格組フロジノーネ(7位)といった伏兵の上位進出も、リーグに新鮮さをもたらしている」と評している。
一方で、ユベントス(8位)やミラン(6位)は本調子とは言い難く、ナポリも苦戦(10位)。今夏に大補強を展開したフィオレンティーナが15位に沈むなど、期待を裏切っている強豪チームもあるが、同誌は「これもリーグ全体の均衡という意味では、プラスに作用している」と捉え、「セリエAは、将来さらに良い時代を迎えるための正しい軌道に乗っている」と綴って記事を締めている。
このように隣国に対して賛辞を贈った同誌は、今シーズンの自国リーグに対しても面白さを見出している。長年パリ・サンジェルマンの「一強」が続いてきたリーグ・アンに、今シーズンは大きな異変が起きているからだ。
過去10シーズンで8度のリーグ制覇を果たしているパリSGは、開幕3試合を終えてまさかの未勝利(4節ブレスト戦でようやく初勝利)。今月5日に公開された記事で同誌は「パリSGが揺さぶられ、リーグ・アン全体が元気を取り戻した」「いよいよ、競争のあるリーグを夢見てもいいのではないか?」と期待を寄せている。
ここまでの試合、ほとんどのスタッツで相手を上回りながらも勝利に結びつけられずにいた絶対王者について、「パリSGは調子を落としているが、崖っぷちにいるわけではない」と冷静に分析したうえで、同誌は「長年、早々に筋書きが見えてしまう優勝争いを見せられてきたフランスのファンにとって、予想外で、ほとんど夢のような“大作映画”。今回はパリが、これまで以上にプレッシャーをかけられる可能性がある」と展望した。
構成●THE DIGEST編集部
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