先週末に行なわれたプレミアリーグのリバプール対アーセナル、ラ・リーガのアスレティック・ビルバオ対レアル・ソシエダで、勝敗に直接影響を与えてしまうような疑惑の判定が相次ぎ、物議を醸している。
現地11月1日にアンフィールドで行なわれたプレミアリーグ第9節では、ホームのリバプールが0-1とビハインドの状況、FWアレクサンデル・イサクがクロスを頭で合わせようとしたものの、わずかに届かず。しかし、リプレー映像ではアーセナルのDFユリエン・ティンベルがイサクのユニホームを掴んでいたことが確認された。しかし、イサクは抗議することなく自陣へ戻り、主審もVARも反則と判定しなかった。
試合はそのままスコアが動くことなく終わったが、敗れたホームチームのアンドニ・イラオラ監督は試合後、「明らかにユニホームを掴まれていた。この件から得られた答えは、我々は『ダイブしなければならない』ということだ。倒れなければファウルを取ってもらえない」と不満を露わにした。
英国公共放送『BBC』は、「ダイブすべきか、すべきではないのか。サッカー界が抱える大きなジレンマ」と題した記事で、選手が倒れるかどうかによって判定が左右される現状について考察。今年2月のサンダーランド対フルアム戦で、ユニホームを引っ張られたフラムのDFカルビン・バッシーが倒れ、VARの介入によってPKが与えられた事例を持ち出して、「ある試合ではVARの介入によってPKが与えられ、もう一方のケースでは与えられなかった。一方の選手はピッチに倒れ、もう一方の選手は倒れなかったのが違いだ」と指摘している。
そのうえで、イラオラ監督の「ダイブすべき」との発言には「もっと適切な言い方があるかもしれない」との見解を示し、現在はコメンテーターを務める元イングランダ代表MFダニー・マーフィーの「もしイサクが、もう少し大袈裟に反応していたらどうだっただろうか。選手が大袈裟に振る舞うのを見るのは嫌だが、彼はゴールを決められそうだった。試合の中でも非常に重要な場面だった」とのコメントを紹介した。
また同メディアは、「競技規則では、ユニホームを引っ張る行為が必ずしも反則になるわけではなく、相手の動きをどの程度妨げたかが重要になる」とも解説し、「イサクが何の影響も受けていないように見えるのであれば、それも判定の際に考慮される」と記述。今季はVARの介入基準が高く設定されていることもあり、「厳密には誤審だったとしても、VARが介入すべき基準には達していなかったと判断された可能性がある」と結論付けた。
ただし根本的な問題として、同メディアは「そもそもなぜ選手が抗議しなければならないのか? 何しろ、これはクリケットではないのだ」と問題提起。アピール制度があるクリケットとは異なり、サッカーはあくまでも審判が他者の言動に影響されず、自らの意志で全てを判断する必要があると訴えている。
一方、同日に行なわれたラ・リーガ第11節のバスク・ダービー、サン・マメスでのアスレティック・ビルバオ対レアル・ソシエダ戦(2-1)では、前半アディショナルタイムにソシエダのDFホン・アランブルがFWニコ・ウィリアムスを倒したとしてPKが宣告された。これがホームチームの決勝点に繋がったが、ソシエダ側はペッレグリーノ・マタラッツォ監督らが、「アランブルの右足はウィリアムスの足をすくう前にボールに触れていた」と猛抗議した。
この件についてはその後、スペインサッカー連盟の審判技術委員会(CTA)が、センサー内蔵ボールを提供する『Kinexon』社に調査を依頼したうえで、「報告書の結論を踏まえると、ソシエダの選手が最後にボールに触れていたと考えられ、PKを宣告した判定は正しくなかった可能性がある」と発表している(バルセロナのスポーツ紙『Mundo Deportivo』より)。
CTAによると、誤審の原因は「ボールのセンサー信号とVAR映像との間に生じた約1~2フレーム(0.02秒~0.04秒)というわずかな同期のずれ」だという。そして、「映像と信号を再同期させると、アランブルがボールに触れた瞬間と信号のピークが一致した」と明らかになった。
こうして、プレミアリーグの事象とは異なり、明確に「ノーファウル」が証明されたが、それでもCTAはVAR担当審判員の責任を否定。「レビュー時点でVAR担当審判員が利用できた情報と、その時点でシステムが示していた同期状態のみを考慮すれば、VOR(ビデオ・オペレーション・ルーム)で下された判断は、その時点では正しいものだった」として、こうした状況下でアレハンドロ・エルナンデス・エルナンデス主審のPK判定を覆すだけの材料は何も有していなかったと主張している。
構成●THE DIGEST編集部
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現地11月1日にアンフィールドで行なわれたプレミアリーグ第9節では、ホームのリバプールが0-1とビハインドの状況、FWアレクサンデル・イサクがクロスを頭で合わせようとしたものの、わずかに届かず。しかし、リプレー映像ではアーセナルのDFユリエン・ティンベルがイサクのユニホームを掴んでいたことが確認された。しかし、イサクは抗議することなく自陣へ戻り、主審もVARも反則と判定しなかった。
試合はそのままスコアが動くことなく終わったが、敗れたホームチームのアンドニ・イラオラ監督は試合後、「明らかにユニホームを掴まれていた。この件から得られた答えは、我々は『ダイブしなければならない』ということだ。倒れなければファウルを取ってもらえない」と不満を露わにした。
英国公共放送『BBC』は、「ダイブすべきか、すべきではないのか。サッカー界が抱える大きなジレンマ」と題した記事で、選手が倒れるかどうかによって判定が左右される現状について考察。今年2月のサンダーランド対フルアム戦で、ユニホームを引っ張られたフラムのDFカルビン・バッシーが倒れ、VARの介入によってPKが与えられた事例を持ち出して、「ある試合ではVARの介入によってPKが与えられ、もう一方のケースでは与えられなかった。一方の選手はピッチに倒れ、もう一方の選手は倒れなかったのが違いだ」と指摘している。
そのうえで、イラオラ監督の「ダイブすべき」との発言には「もっと適切な言い方があるかもしれない」との見解を示し、現在はコメンテーターを務める元イングランダ代表MFダニー・マーフィーの「もしイサクが、もう少し大袈裟に反応していたらどうだっただろうか。選手が大袈裟に振る舞うのを見るのは嫌だが、彼はゴールを決められそうだった。試合の中でも非常に重要な場面だった」とのコメントを紹介した。
また同メディアは、「競技規則では、ユニホームを引っ張る行為が必ずしも反則になるわけではなく、相手の動きをどの程度妨げたかが重要になる」とも解説し、「イサクが何の影響も受けていないように見えるのであれば、それも判定の際に考慮される」と記述。今季はVARの介入基準が高く設定されていることもあり、「厳密には誤審だったとしても、VARが介入すべき基準には達していなかったと判断された可能性がある」と結論付けた。
ただし根本的な問題として、同メディアは「そもそもなぜ選手が抗議しなければならないのか? 何しろ、これはクリケットではないのだ」と問題提起。アピール制度があるクリケットとは異なり、サッカーはあくまでも審判が他者の言動に影響されず、自らの意志で全てを判断する必要があると訴えている。
一方、同日に行なわれたラ・リーガ第11節のバスク・ダービー、サン・マメスでのアスレティック・ビルバオ対レアル・ソシエダ戦(2-1)では、前半アディショナルタイムにソシエダのDFホン・アランブルがFWニコ・ウィリアムスを倒したとしてPKが宣告された。これがホームチームの決勝点に繋がったが、ソシエダ側はペッレグリーノ・マタラッツォ監督らが、「アランブルの右足はウィリアムスの足をすくう前にボールに触れていた」と猛抗議した。
この件についてはその後、スペインサッカー連盟の審判技術委員会(CTA)が、センサー内蔵ボールを提供する『Kinexon』社に調査を依頼したうえで、「報告書の結論を踏まえると、ソシエダの選手が最後にボールに触れていたと考えられ、PKを宣告した判定は正しくなかった可能性がある」と発表している(バルセロナのスポーツ紙『Mundo Deportivo』より)。
CTAによると、誤審の原因は「ボールのセンサー信号とVAR映像との間に生じた約1~2フレーム(0.02秒~0.04秒)というわずかな同期のずれ」だという。そして、「映像と信号を再同期させると、アランブルがボールに触れた瞬間と信号のピークが一致した」と明らかになった。
こうして、プレミアリーグの事象とは異なり、明確に「ノーファウル」が証明されたが、それでもCTAはVAR担当審判員の責任を否定。「レビュー時点でVAR担当審判員が利用できた情報と、その時点でシステムが示していた同期状態のみを考慮すれば、VOR(ビデオ・オペレーション・ルーム)で下された判断は、その時点では正しいものだった」として、こうした状況下でアレハンドロ・エルナンデス・エルナンデス主審のPK判定を覆すだけの材料は何も有していなかったと主張している。
構成●THE DIGEST編集部
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